メニュー

投稿日:2016年12月09日

テーマ: 国語

国語と読書

みなさん、こんにちは。受験ドクターのAです。

受験ドクターで算、国、理、社の四科目を指導させていただいている幸せな講師です。

今日は、国語の読解と読書の関係についてお話したいと思います。

 

国語の成績がなかなか上がらず悩まれている親御様、お子様がいらっしゃいます。

 

原因を

「うちの子は本を読んでこなかったから・・・・」

 

「ボクは本が嫌いだから・・・」

 

と分析している方もいると思いますが、私の意見は、

 

読書と国語の成績は無関係!!です。

国語と読書

たくさんの受験生を指導してきて、読書量と国語の成績との間に相関関係をつかめなかったことからの結論です。

 

国語の成績を伸ばすには、やはり、地道な国語読解の訓練しかないと思います。

 

読書の目的は国語の成績を伸ばすためではなく、未知の世界に出会うためだと考えています。

 

それでも、入試のためのお勧め物語があるので紹介したいと思います。

あくまでも、個人的な意見ですが・・・

 

1位

「あくる朝の蝉」著:井上やすし

この本はある意味、衝撃的です。

なぜなら、長文物語一題、記述という珍しいスタイルの駒場東邦中学、麻布中学、武蔵中学の全てで出題されているからです。しかも、抜粋箇所はほぼ同じです。

 

この3つの学校で最初に出題されたのは駒場東邦でしたが、麻布中学対策として駒場東邦の問題を解くことは多々あるので、平成23年の麻布中は解いたことがある受験生と初見の生徒では差が出たのではないかと受験界は一時騒然となりました。

 

そして、この文章はある大手塾のテキストに掲載され、さらに有名になっていきます。

 

そして、今年、平成28年武蔵中学で出題されるという事態が起こりました。

 

先と同じく武蔵中学の国語対策として、麻布中学の国語を解くことも多々あるので、解いたことのある生徒とない生徒では差が着いてしまったと思います。

 

他にも、平成22年早稲田中学1回でも同じ個所からの出題があります。

実は、調べて見た結果、まだまだ同じ個所からの出題がありました。

 

どこの学校もほぼ共通した設問です。「蛍」がキーワードです。

 

 

2位

「絶対泣かない」著:山本文緒

山本文緒さんのことをご存知の方は多くいらっしゃると思います。

しかし、中学入試で出題されるの?と思う方が多いのではないでしょうか。

 

私も山本文緒さんはほぼ全て読んでいるので分かるのですが、基本的に恋愛小説です。

小学生に恋愛小説を読ませるの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、最近の入試では恋愛ものがよく出るんです。

 

しかも、男子校で・・・

 

1例を挙げると、平成26年度1回、法政第二中学(男子校)で出題されています。

 

「絶対泣かない」は短編小説なのですが、その中の一篇「話を聞かせて」です。

抜粋されている部分の内容は、なんと「仕事を通して恋人のかけがえのなさに気付く」です。

 

もちろん、最後の設問で記述として問われています。

 

恋愛小説が出題されたら、チンプンカンプンなんてことを避けるためにもお勧めの一冊です。

 

3

「くちびるに歌を」著:中田永一

ご存知の方も多いかもしれません。

近年、映画化もされた有名な作品です。

 

中学三年生を主人公にする青春小説です。

 

様々な中学生の視点から書かれており、その分山場も多くあるので、出題されている箇所がまちまちですが小学6年生が読むにはちょうどよい作品だと思います。

 

平成25年1回・芝中学では、独りぼっちだった少年が生きる意味を見出していく場面を抜粋していました。

 

平成25年1回・本郷中学では、合唱のクライマックスシーンが抜粋されていました。

 

平成26年推薦・常総学院中学では、「くちびるに歌を」で最も盛り上がる場面が抜粋されていました。

 

<まとめ>

国語の読解力と読書に相関関係はないと思うが、有名どころを読んでおくと、同じ文章が出る可能性がある!

 

しかし、費用対効果で考えた場合は、読書で出題作品を当てにいくよりも、過去問を解く方が効率的である。

 

番外編

「姫椿」:著:浅田次郎

平成25年、早稲田実業中学で出題された浅田次郎さん作の「姫椿」の中の一篇の「シエ(けものへんに解)」が出題されていたのに驚いたことがあります。

この物語はとても泣ける作品なんですが、「そこまでしか抜粋しないの!?」という感じがしました。大人のファンタジーなので、親御様にお勧めの作品です。

国語と読書2

読書は心を豊かにするものです。

受験生には勉強の邪魔にならない限り、ぜひ行ってほしいものです。

国語ドクター