みなさん、こんにちは。受験ドクターのAです。
受験ドクターで算、国、理、社の四科目を指導させていただいている幸せな講師です。
2017年度、中学受験お疲れ様でした。
そして、新6年生様、受験に向けて本格始動です。
今、このブログを書いているのが2月15日です。
すでに、30校近くの問題を解いてみました。
入試問題には学校側がどんな生徒に入ってほしいかというアドミッションポリシーが多分に出ています。
今のところ、駒場東邦中学校の算数のこの問題がアドミッションポリーを一番感じさせてくれました。
『今まで算数を学んできた中で,実生活において算数の考え方が活かされて感動したり、面白いと感じた出来事について簡潔に説明しなさい。』
駒場東邦中学校がいかに算数好きに学校に入ってきてほしいかがひしひしと伝わってきます。
国語の入試問題もアドミッションポリシーが出やすくなっています。
特に、麻布中学、駒場東邦中学、武蔵中学は物語の長文一題、秘められた気持ちの読み取りで有名です。しかも、駒場東邦中学と武蔵中学の漢字の問題の難易度といったら、これ以上ないほど簡単です。
さて、本題です。
社会の入試問題ではどのようなアドミッションポリシーが見られるのでしょうか。
私が中学入試に関わるようになって最も関心を持ったのが灘中学です。
言わずと知れた、関西の名門中の名門中学です。
そのスタイルは、なんと
入試科目に社会なし
社会を得意に科目にしている受験生にとっては慌てるしかありません。
暗記科目不要、理系重視が伝わってきます(甲陽学院中学も同様です)
社会は暗記科目だと思われていますが、暗記を必要としない学校を発表します。
1位 武蔵中学校
2017年度の社会では完全暗記問題は問5だけでした。実際に問題を見て頂ければ分かりますが、しかもその答えが「日露戦争」で、知らない受験生はいないという問題でした。
あとは、問題をよく読み、考える問題、記述というスタイルです。
思考力を重視していることがわかります。
2位 海城中学校
海城中学校の場合、知識問題が半数程度出題されますが、非常に基本的なものです。覚えるというよりは、受験勉強をしているうちに自然と覚えてしまうという程度の知識です。
そして、武蔵中学と異なるのが、分析力重視という点です。長文の問題文を読むという点は武蔵中学と変りませんが、問題文と資料を的確に分析して、正確に表現するという力が試されています。
なんだか難しく聞こえますが、過去問演習によって最も対策がしやすい学校の一つとなっています。
3位 麻布中学校
麻布中学校は武蔵中学と海城中学の丁度中間位のイメージです。難易度ではなく、思考力、知識力、分析力をまんべんなく出題しています。
問題文にさりげなくヒントが隠されている点は武蔵中学よりかもしれません。
4位 渋谷幕張中学校
私のイメージとしてはさほど知識は必要ないのですが、分析力は高度なものを要します。さらに発想力も必要となってきます。
過去には、「飛行機のパイロットは機長と副機長は別の食事をとりますがなぜですか?」という問題が出されたり(答えは、両方が食中毒になると乗客全員の生命に関わる事態になるかもしれないから)、白黒写真の中学生の男女が楽しく仲良く登校している写真を見せて、「この写真は入学試験に向かう写真ではありません。理由を答えないさい」(答えは『当時は男女共学ではなかったから』ですが、大半の受験生は試験に臨む緊張感に欠けているからと答えていました)などの問題が出題されたりしていました。
5位 駒場東邦中学
駒場東邦中学はバランスの良さが素晴らしいと個人的には思っています。文章を読ませ、考えさせ、知っている基本的知識を使って答えさせるというスタイルは、ここ10年変わっていません。
他の難関中学校、例えば、開成中学、桜陰中学、筑波大駒場中学、女子学院中などのほとんどの学校は地道な努力が報われる学校です。
<まとめ>
社会はやはり知識、記憶は大切です。
一部の学校では、知識や記憶より、思考力、分析力を大切にする学校もある。
志望校が決まったら、その学校にふさわしい勉強をしていきましょう!