みなさん、こんにちは!受験ドクター算数科のA.K講師です。
場合の数の単元の中に、規則性の単元が絡む問題が実はあります。
それは「和分解」と呼ばれるテーマです。例題をここで挙げましょう。
「りんごが全部で3個あります。Aくん、Bくん、Cくんの3人に分ける方法は何通りですか?」
この問題、5年生以上なら見たことはあるハズです。
考え方としては、3人にそれぞれ配った個数の合計が3個になるようにすればよいので、
A+B+C=3という式を立てた後、A,B,Cそれぞれに当てはまる数字の組を探していきます。
(0,0,3)…3通り
(0,1,2)…6通り
(1,1,1)…1通り
合計で10通り
このような考え方が一般的です。…が、実はこの答えに規則性が潜んでいるのです。
もちろん、これだけでは分かりませんから、りんごの個数を0個、1個、2個、4個として同じように
問題を考えてみます。
0個の時⇒(0,0,0)…1通り
1個の時⇒(0,0,1)…3通り
2個の時⇒(0,0,2)…3通り (0,1,1)…3通り 合計6通り
3個の時⇒先ほどの解説から10通り
4個の時⇒(0,0,4)…3通り (0,1,3)…6通り (0,2,2)…3通り (1,1,2)…3通り
合計15通り
さあ、賢い皆さんはそれぞれの答えの数を見て気づけましたか!?
1,3,6,10,15…この並びはなんと……三角数なんです!!
1、 3=1+2、6=1+2+3、10=1+2+3+4、15=1+2+3+4+5というやつです。
なんで?って思うそこのキミ。理由は、ちゃーんとあるのですよ。これからその仕組みをお教えしましょう。
ポイントは、「仕切り」をどのように配置していくか?ということです。
2個の場合で、考えてみましょう。仕切りを|で、みかんを○で表すことにします。
一例を挙げましょう。
| | ○○ ⇒ この場合、みかんの個数は左から順に0個、0個、2個です。
上記のような図を想定して、配り方が何通りあるのかを考えてみます。
1本目の仕切りを固定させてみましょう。
| | ○○ ⇒ 0,0,2
| ○ | ○ ⇒ 0,1,1
| ○○ | ⇒ 0,2,0
さらに、
○ || ○ ⇒ 1,0,1
○ | ○ | ⇒ 1,1,0
そして、
○ ○ || ⇒ 2,0,0
以上から、仕切りを固定させた場所に分けて計算をすると、3+2+1=6通りとなり、三角数に
なっていることが分かるわけです!!
りんごの合計個数がほかの場合であったとしても、三角数になりますよ。
もし、人数が4人だったら…?
それは、賢い皆さんの頭で考えてみてくださいね!みなさんなら、きっと出来るはず。
今日のテーマのまとめ。
・場合の数で和分解の問題が出たときは、規則性を使ってスマートに答えを出してしまおう!
でした。
今回はこの辺で失礼いたします。次回もお楽しみに!!
それではまた、近いうちにお会いしましょう。