みなさん、こんにちは!受験ドクター算数科のA.K講師です。
9月ももうすぐ終わり、10月に差し掛かろうとしています。湿気もおさまり、あの暑かった夏がすごく懐かしい感じがする今日この頃です。
さて、早速ですが、今日の本題に入りましょう。
前回の記事に引き続き、場合の数の単元で今回はみなさんが良く疑問に思うことについて解明していきましょう。
それは…
「たす」か「かける」か??
場合の数を学んだことのあるみなさんは、「あ~~!」と相槌を打ったことでしょう。
答えを出そうと最後の計算をしようとするときに、2+6をするのか、2×6をするのか…。
いつも迷われる方はたくさんいるはずです。
今日はその疑問をスッキリと解消させてみせましょう!
まずは、足し算の方から。
例題を一つご紹介しましょう。
(1)さいころを2回投げました。目の和が6になったそうです。目の出方は全部で何通りありますか?
1回目の目と2回目の目の組み合わせは、(1,5)(2,4)(3,3)がありますね。
このうち(1,5)と(2,4)については、1回目と2回目の順番をひっくり返した2通りがあります。
(3,3)はどちらとも数字が同じなので、ひっくり返しても変わらないので1通りしかありません。
よって、2+2+1=5通りとなります。
この場合は、足し算で答えが求まります。なぜか?
それは、同時にそれぞれの場合が起こるわけではないからです。
1⇒5と目が出た時は、(2,4)というパターンで目が出たわけではないので、別の場合という事になります。
より詳しく解説をすると、1⇒5、5⇒1、2⇒4、4⇒2、3⇒3と全部で5通りあるということです。
それぞれのパターンが別々なのですから、かける計算にならないことはお分かりですね?
したがって、以上のような例の時は足し算を使うわけです!
それでは、かけ算の方について。
例題を一つご紹介しましょう。
(2)A君、B君、C君と3人の男の子がいます。Dさん、Eさんと2人の女の子がいます。男の子・女の子からそれぞれ1人ずつ選んで男女のペアを作ると何通りの方法がありますか?
男の子については、3人から1人を決めるので3通りあります。女の子については、2人から1人を決めるので2通りあります。
ここで、みなさんが最後に答えを出そうとするときにやってしまいがちなのが…
3+2=5通り、という間違い!!!
「男の子と女の子を決めなきゃいけないんだから、足し算でいいじゃん。」
って思われますよね??(1)の時と情況が違うのです。なぜか?
それは、今回については同時にそれぞれの場合が発生しているからです。
問題の情況を分かり易く、樹形図にすると以下のようになります。
見て分かりますが、5通りとはならないですね?
男の子の選び方が3通りある上で、女の子の選び方が2通りあります。上記の図から、
3つに枝分かれしたものが、更にそれぞれが2つに枝分かれしているので
3×2=6通りが答えとなるわけです!
今回の問題の情況が先ほどと違うのがお判りでしょうか??
男の子と女の子のペアを決めるということは、男の子の決め方の3通り・女の子の決め方の2通りとも、同時に決めなくてはいけません。先ほどのさいころの問題とは異なり、目の出方の1⇒5、2⇒4のように別々に決めているわけではないですよね?
したがって、この問題ではかけ算を使うことになるわけです。もし、かけ算を使うかどうか迷ってしまった場合には、樹形図を思い浮かべてみてください。そうすることによって、どちらのパターンの問題であるのかがハッキリするでしょう。
足し算を使う問題の代表例としては、さいころの目の和の問題やカードの並び替えで倍数を作る問題等があります。
かけ算を使う問題の代表例としては、道順(途中である点を通ってからゴールにつくもの)や人の選び方の問題等があります。
色々な問題を通じて、それぞれの場合についてどのような計算をすればよいのか、長い時間をかけて感覚を養っていくようにしましょうね☆彡
それでは、本日のまとめといたしましょう。
①それぞれの場合が、同時に発生しない時は足し算を使う!
②それぞれの場合が、同時に発生する時(両方を同時に決めなくてはいけない時)はかけ算を使う!
これで、場合の数における君のモヤモヤは解消されたはずです!
今回はこの辺で失礼いたします。次回もお楽しみに!!
それではまた、近いうちにお会いしましょう。