みなさん、こんにちは!受験ドクター算数科のA.K講師です。
新年、明けましておめでとうございます。(とっくに新年は明けてしまっていますが・・・)
2017年になりましたね。早いもので、1月もあと1週間で終わろうとしています。
そして、2月になれば・・・。
君たちの晴れ舞台がやってきます!!!
ここまで頑張って、一途に目標に向かってきた君たちだもの。
きっと大丈夫。自分を信じて、最後の最後まで頑張っていこう。
では、本題へ。
皆さんは、「仕事算」と呼ばれる特殊算をご存知でしょうか??
“Aさんが〇日かかって仕上げる仕事を、Bさんは△日かけて仕上げます。”といった表現をするものが、基本的な形になります。
ここで、問題文中に時間(~日や~分)が与えられているなら、仕上げなくてはいけない仕事の全体量はいくつなのか?ということを考えていきます。
このことを纏めると、以下のようになります。
人が決まった時間でやる仕事の量 × かかる時間 = 仕事の全体量
なお、人が決まった時間でやる仕事の量を、「単位時間当たりの仕事量」と呼ぶこともあります。
ここで考えなくてはならないのは全体量ですが、それを求める手順は2つ存在するのです。
では、ここで例題を一つ。
(例題)
Aくんが8日で仕上げる仕事を、AくんとBくんが協力した場合は6日で仕上げます。
では、この仕事をBくんだけなら何日で仕上げますか。
手順①⇒全体量を先に決める。
先ほどの式で考えると、
A(が一日でやる仕事の量)×8日=全体量
AB(が一日でやる仕事の量)×6日=全体量
となります。
上の式で見ると全体量は8の倍数で、下の式で見ると全体量は6の倍数でおくのが良さそうですね。ということで、全体量を8と6の最小公倍数で㉔としてみましょう!
そうすることで、一日でやる仕事量は、Aが㉔÷8=③、A+Bが㉔÷6=④となります。
よってBは④-③=①の仕事を一日あたりにやるので、㉔÷①=24日となるわけです!!
手順②⇒全体量を後から決める。
A一人でも、AとB二人でも全体量が変わらないことに着目する考え方です。
式にしてみると、
A×8=AB×6=全体量ですから、逆比を使うとA:AB=6:8=3:4となりますね。
この数値、先ほどどこかで出ませんでしたか?
手順①の一日でやる仕事量が求まったのです!それをAは③、A+Bは④としてみましょう。
ここから、全体量はAで考えると③×8日=㉔となり、Bは④-③=①なので㉔÷①=24日となるわけですね。
※ちなみに、この方法は速さの考え方と同じです。それは、なぜか??
速さ×時間=距離
において、距離が同じときは速さ比と時間比が逆になる、ということと全く同じだからです!!
それでは、実際に入試問題にチャレンジしてみましょう。
(入試問題 H28年度 明治大学付属明治中学校 大問2 一部抜粋)
あるプールにそれぞれ一定の割合で水を入れる3種類のポンプA、B、Cが何台かずつ取りつけてあります。このプールを満水にするのに、Aを1台とBを2台同時に使うと45分、Aを3台とBを1台同時に使うと30分、Aを2台とCを2台同時に使うと25分かかります。このとき、次の各問いに答えなさい。
(1)Aを5台だけ使ってプールを満水にするには、何分何秒かかりますか。
(2)Bを1台とCを1台同時に使ってプールを満水にするには、何分何秒かかりますか。
では、まずは問題文中で与えられている時間について見てみましょう。
45分、30分、25分となっているので、プールの満水の量(仕事の全体量)を45と30と25の最小公倍数で450Lとおいてみます。(全体量を先におく方法です)
そうすると、A1台+B2台=450÷45=10L/分、A3台+B1台=450÷30=15L/分、A2台+C2台=450÷25=18L/分となります。
ところが、今回の問題ではそれぞれの条件を見比べてみても、A1台、B1台、C1台の値は残念ながら出てきません!!
では、どうするか・・・?
その続きは、次回「消去算」というテーマをもとにお話ししていくこととしましょう。
長くなりました。
~今回のポイント~
・人が決まった時間でやる仕事の量 × かかる時間 = 仕事の全体量
・仕事の全体量は、最小公倍数⇒先に決まる 逆比⇒後で決まる
ということでした!
今日はここまで。
それではまた次回、お会いしましょう!