みなさん、こんにちは。受験ドクター算数科のA.K講師です。
8月も、もう後半。
まだまだ昼間は容赦なく陽の光が肌を刺しますが、夜間はだいぶ涼しくなり、遠くに秋の気配を感じられるような季節になってきました。
私達の夏期講習も真っ最中です!
この夏で、君たちはまたひとまわり大きくなります。
「えっ?別にそんな出来るようになった実感はないけど。」
そんなことはありません。徐々に、徐々に。少しずつ、少しずつ出来るようになっています。
それが明確に感じられるようになるのは、秋以降に再び同じ内容を学習しているときです。
大規模なテストの結果にも、如実に表れるでしょう。
出来るようになった、と感じるのは他の誰でもない君たち自身です!胸を張って。
さて、前回は「点の移動」をテーマとした自作問題を出しましたね。憶えていますか?
今回は、後半ということで(1)の続きから見ていきましょう!
前回、こんな問題を出しました…↓
【問題】
台形と長方形を組み合わせた、図1のような図形があります。BEとAGの長さは等しいです。
動く点PがDを出発し、C⇒B⇒A⇒G⇒Fと移動します。
点Pが出発してからの時間と、“ある三角形”の面積の変化との関係を表したのが図2のグラフです。
以下の問いに答えなさい。
(1)“ある三角形”とは次のうちのどれですか。
ア.PBE イ.PBD ウ.PDE
(2)Pの秒速を求めなさい。
(3)図2のグラフの、アとイの値を求めなさい。
(4)“ある三角形”の面積が26㎠になるのは何秒後と何秒後ですか。
(1)アとイは、グラフの形と矛盾しているのでありえないという話を前回しました。
ウについて検証してみましょう。
0秒のとき。△PDE=△DDEとなるので面積はありません。
10秒のとき。△PDE=△CDEとなり、8㎝×3㎝÷2=12㎠となります。
18秒のとき。△PDE=△BDEとなり、先ほどと同じ12㎠です。
32秒のとき。△PDE=△ADEとなり、面積は分かりませんが12㎠よりは大きくなることが分かります。
38秒のとき。△PDE=△GDEとなり、先ほどの△ADEから面積の増減はありません。
ア秒のとき。△PDE=△FDEとなるので面積はありません。
したがって、答えはウとなります。
(2)Pの速さを求めるためには、「図形上のどこかの辺を」「グラフから何秒で移動したのか?」を考える必要があります。
ここで、問題文の冒頭にあるBE=AGを使うわけです!AGは3㎝と分かります。
グラフから、DCは10秒(10-0)で移動、CBは8秒(18-10)で移動、BAは14秒(32-18)で移動、AGは6秒(38-32)で移動、GFはア-38秒で移動したことが読み取れます。
よって、Pは3㎝のAGを6秒で移動したので3÷6=0.5㎝/秒となるわけです。
(3)アについては、GFの長さを求める必要があります。BAを14秒で移動したことから、BA=0.5×14=7㎝となり、GFはBAとBEの合計なので7+3=10㎝です。よって、GFを10÷0.5=20秒で移動することから、アは38+20=58(秒)となります。
イについては、PがAにきた時を考えると、△PDE=△ADEの面積を求めれば良いことが分かります。△ADEは直角三角形なので、面積は8㎝×10㎝÷2=40(㎠)…イ です。
(4)△PDEの面積が26㎠になるのは、以下のようになります。
ここで、、、グラフがあることで使えるものが存在します。
それは「相似」!
ダイヤグラムでは、砂時計型相似を使って距離を求める方法もあります。
今回は、ピラミッド型相似があるのです。
まずは、1回目について…。
お分かりいただけますでしょうか??言うまでもなく、ピラミッド型の相似ですね。
相似比は、縦から(40-12):(40-26)=2:1です。したがって、(32-18):(32-?)=2:1となるので、32-?は7と分かり、1回目は32-7=25秒後と分かります。
次に、2回目については下のようになります。
相似比は、縦から40:26=20:13です。したがって、(58-38):(58-?)=20:13となるので、58-?は13と分かり、2回目は58-13=45秒後と分かります。
いかがでしたでしょうか。グラフの変化をこと細かに追っていかなければならない、ちょっとした難問だったかもしれませんね。
それでは、本日のまとめに移らせていただきます。
~本日のまとめ~
・グラフ上において「どの時間」で、図形上の「どの長さの辺」を移動したのかを考えるようにしよう!
・特定の面積になるのが何秒後であるのかを問う問題では、グラフ上のピラミッド型相似を上手く活用しよう!
本日は、ここまで。
次回は、再び今年の入試問題を特集していきたいと思います!
また、お会いしましょう♪♪