みなさん、こんにちは。受験ドクター算数科のA.K講師です。
3月ももう半ば、だいぶ暖かくなりましたね。25日には受験ドクターでも春期講習がスタートします。苦手な分野がある人も、この休み期間を使って一つでも克服するようにしましょう!
さて、2020年の入試もひと段落したところで…今回は、入試問題をピックアップして皆さまと一緒に考える回にしたいと思います。
お題は…
「延長線を用いた2組のクロス型相似!」
です。
ではLet’s try!!
(鴎友学園女子中学校第1回入試算数大問5より)
図の四角形ABCDは平行四辺形で、AB:AD=3:4、DF:FC=1:1です。同じ印の角は、同じ大きさです。
(1)AG:GEの比を、最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2)三角形AGFと四角形CFGEの面積の比を、最も簡単な整数の比で表しなさい。
この類の問題、平面図形⇒相似、というところまでは分かるのですが
「肝心の相似が見つからない!ピラミッド型はないし…クロス型?」
という声が聞こえてきそうです。クロス型相似ってどのようなものかというと、
こういう形です!相似が見つからないように思えるのは、Bから伸びている直線がFで止まっているからです。このような場合、Fからさらに線を延長して下のように作図してみましょう。
ただし、これではクロス型相似が見つからないので、辺ADと辺BCが並行であることを利用し、ADをDの方に延長してみると下図のようになりますね。
すると、クロス型相似が見つかるのですが、下の図のように実は2つもあるんです!
まずは、青い方の相似を見てみましょう。DF=FCより、DH=BCです。ABCDは平行四辺形でAD=BC=④なので、DHも④となります。
次に、赤い方の相似を見てみます。AH=④+④=⑧となりますが、BEがまだ分かっていません。
そこで使うことになるのが問題文の条件である、角BAE=角DAEです。ADとBCが平行であることから、錯角が成立するので角DAE=角AEB、まとめると角BAE=角AEBとなります。ここから三角形ABEはAB=BEの二等辺三角形となり、BE=③と分かります。
よって、AG:GE=AH:BE=8:3となります!
(2)については…次回、お話ししていきたいと思います。
今日習ったことを、もう少し簡単な問題で復習しておきましょう!ということで…
☆本日の宿題☆
下の図のような台形ABCDがあり、AD=4㎝、BC=12㎝、高さが10㎝です。DF:FC=1:3であるとき、四角形AEFDの面積を求めなさい。
~本日のまとめ~
・平面図形の問題⇒台形・平行四辺形・長方形といった、平行な辺が1組は存在する図形の問題の中では、まずはクロス型相似がないか探してみる。
・ない場合は、線を延長して作ることが出来ないかを考えてみる。
・その後は、1組だけではなく2組の相似が存在しないかを見てみる。
今回はここまでといたします。次回は、後篇として宿題の答え合わせと、(2)の話をお伝えできればと思っております!
ではまた、お会いしましょう♪