こんにちは。
受験Dr.算数科講師の千葉 誠と申します。
最近、算数を教えていて「文章題に弱い生徒」が増えてきたと感じています。
そもそも算数の大半の単元は文章題に含まれるのですが、ここで言う「文章題に弱い生徒」は、文章題に含まれる単元で苦手なものが多いというわけではなく、解法は理解しているのに問題文を正確に読めていないせいで間違えることが多い生徒を指しています。
問題文が正確に読めない原因のほとんどは「思い込み」です。
問題文を読んで
「前にやったあの問題と同じだ」
「こういう問題はたいていこうやって解くんだよな」
と思うと、問題を読み切る前に手を動かしはじめ、解法に当てはめるために必要な数字だけを問題文から取り出して解いてしまい、結果、問題によって異なる設定や聞かれている部分を間違えてしまいます。
こういった「思い込み」に対する解決策として、以下の習慣化をおすすめします。
・問題文の必要な条件と、聞かれている部分を線引きし復唱する
・問題文を読み切って、一呼吸おいてから解く
これらの習慣が身につけば、「思い込み」によるミスは大きく減るでしょう。
今回は練習用の問題を用意したので、上の2つを意識しながら解いてみましょう。
【問題】
ある本を、1日目に全体の7分の1を読み、2日目に残りの3分の1を読み、3日目に全体の5分の1を読んだところ、残り65ページになりました。2日目に読んだのは何ページですか。
【解説】
割合の問題なので、まず注意すべきは「もとの量」ですね。聞かれている部分にも注意して、以下のように線引きしましょう。
ある本を、1日目に全体の7分の1を読み、2日目に残りの3分の1を読み、3日目に全体の5分の1を読んだところ、残り65ページになりました。2日目に読んだのは何ページですか。
「もとにする量」が「全体」なのか「残り」なのかが重要です。
また、こういった問題は「全体のページ数」が聞かれることが多いですが、この問題では「2日目に読んだページ数」が聞かれていることにも注意しましょう。
線引きが終わって、解き始める前に「一呼吸」。
頭の中で情報を整理する時間をおいてから解き始めます。
まず全体のページ数をとすると、1日目に読んだのは
1日目の残りは
2日目に読んだのは
2日目の残りは
3日目に読んだのはなので、
3日目の残りは=65(ページ)
=65÷=175(ページ)・・・全体
2日目に読んだを聞かれているので、
=175×
=50(ページ)
今回は文章題で「思い込み」によるミスをなくすための2つの習慣を紹介させていただきました。
「線引き」は国語でもよく指導される部分ですが、文章を正確に読み取ることの重要さは算数も同様です。
普段の学習でも「線引き」と「一呼吸」を意識して、文章題をミスなく解いていきましょう。
それでは、失礼いたします。