みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。
楽しかった(?)ゴールデンウィークから1週間。
通常の学習リズムを取り戻してきた頃でしょうか。
ここから約2ヶ月間、
7月17日の“海の日”までは
特に祝日もありません。
そもそも
6年生のお子様がいらっしゃるご家庭においては
「最後の夏期講習」を目前に控え
祝日でも浮かれていられない状況かも知れませんが…(・・;)
中学受験は、本人だけでなく家族全員が
いろいろなことを我慢する覚悟をもって協力してあげないと
成功は難しいですからね。
お父様、お母様
これから先、いろいろな悩みや不安を抱えることもあるかと思いますが
最後まで寄り添ってお子様を応援してあげてください。
お通いの塾や、家庭教師の方に直接聞きづらい
悩みや不安があれば
ぜひ、お電話で
受験ドクターの「無料相談」
をご活用ください!!(^^)
さて、
今回は、前回申し上げた通り
中学入試によく出題される算数問題のお話をします。
「平方数」という言葉、ご存じですか。
中学受験勉強をしている高学年のお子様であれば
まず間違いなく知っているはずです。
同じ数を2回かけてできる数ですね。
たとえば
4=2×2
256=16×16
625=25×25
ですから、
4も256も625も、すべて平方数です。
また、
「1から連続するN個の奇数のみの和はN×N (平方数)になる」
ということも、
受験生には必ず身につけてもらいたい考え方です。
たとえば
1+3+5+7
を求める際、
等差数列の和の公式である
(はじめの数+終わりの数)×個数÷2
を用いて
(1+7)×4÷2=16
と求める以外に
1から連続する4個の奇数のみの和
ですから
4×4=16
と求める方法もあります。
このことは、簡単な図で説明することができます。
(とっても有名な解説なので、すでにご存じの方は
お茶でも飲みながら、さらっと飛ばしてください^^;)
下の図のように
碁石を並べていくように考えると
1辺に4個の正方形を作ることができるので
1+3+5+7=4×4
1+3+5+7=16
とわかります。
このあと、どんどん奇数だけを加えていっても
常に正方形のかたちに並べられることも
イメージしやすいですね。
では次に
1×1+2×2+3×3+4×4+5×5+6×6
という計算はいかがでしょう。
そうです。
1から連続する6個の平方数の和です。
ちなみに高校数学において
という公式を学びます。
数学が得意、あるいは好きな方なら
「あ~、そんな公式あったなぁ」
と思う方もいらっしゃるかも知れません。
が、
「何これ!こんな公式を覚えさせられるの!?」
とか、あるいは
「えっ!!高校数学?なら、小学生には無理でしょ。」
と思われる方のほうが多いのでは…
いえいえ、中学入試に出ているんです!
しかも複数の学校で。
ちょっと見てみましょう。
以下の図は、1辺が1㎝、2㎝、3㎝、4㎝、5㎝の
正方形を並べたものです。(図中の単位は省略)
これについて、まずは
(1) ㋐、㋑、㋒、㋓の面積をそれぞれ求めなさい。
これは簡単!
1×1+2×2+3×3=14 (㎠)・・・㋑
全体の長方形から㋑を2つ引くと
7×6-14×2=14 (㎠) ・・・㋐
同様に
1×1+2×2+3×3+4×4+5×5=55 (㎠)・・・㋓
11×15-55×2=55 (㎠)・・・㋒
と求まりますね。
(ちなみに、ここではまだ「平方数の和」も普通に求めるしかありません。)
次に
(2) (1)の結果を考えて、次の□にあてはまる数を入れ、式を完成させなさい。
1×1+2×2+3×3+4×4+5×5=□×□÷□
さあ、これはどうでしょう・・・
にあるように、(1)の結果から
㋐と㋑が同じ、あるいは㋒と㋓が同じ
すなわち
に気付けば、この□の部分は
15×11÷3
ということになります。
みなさん正解できたでしょうか。^^
そして、最後に
(3) 1×1+2×2+3×3+……+50×50を求めなさい。
もう、何を考えていけばよいか
気付いた方も多くいらっしゃることでしょう。
(1)(2)で利用した図を(3)でもイメージし、
全体の長方形のたてが
50+1+50=101 (㎝)
横が
1+2+3+4+……+50=(1+50)×50÷2
1+2+3+4+……+50=1275 (㎝)
なので、
101×1275÷3=42925
と求めて完成です!
いかがでしたか。
高校数学で学ぶような内容も
小学生で解けてしまう!
そう考えると、中学受験をする小学生ってすごいですよね♪
今回ご紹介したのは、関西の難関校である
神戸女学院中等部の問題でした。
ただ、この平方数を題材にした問題は
図の見た目がほんの少し変わっただけのものが
関東の中学校でも出題されています。
今回はここまで。
次回は、この問題を別の考え方で解く方法を
やはり中学入試問題をもとにご紹介したいと思います。
それではまた。