みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。
塾での新年度が始まり約1ヶ月が過ぎました。
新学年になり通塾日数が増えたお子様や
はじめて塾に通い始めたお子様など
いろいろな状況のご家庭があると思いますが…
もうだいぶ慣れてきましたか。
是非楽しみながら通塾してほしいと願っております。
さて、
前回のブログでは「場合の数」を取り上げました。
今回は
2019年度入試問題の中から
「場合の数」の問題にチャレンジしてみましょう!
5年生以下のお子様は少し根性のいる問題かも知れませんが、
6年生は積極的にチャレンジしてもらいたい問題ですので、
是非ご一緒に♪(^^)
それでは問題です。
図のような正方形ABCDの頂点Aにコマを置き、
大小2つのサイコロを使って決められた数だけ、
反時計回りに頂点から頂点へコマを進めていきます。
例えば、2だけ進めるときはコマは頂点Cにとまり、
5だけ進めるときはコマは頂点Bにとまります。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)大小2つのサイコロの出た目の和だけコマを進めるとき、コマが頂点Dに
とまる目の出方は何通りありますか。
(2)大小2つのサイコロの出た目の積だけコマを進めるとき、コマが頂点Aまたは
頂点Cにとまる目の出方は何通りありますか。
さあ、制限時間は6分です。
(考え中)
(考え中)
(考え中)
さあ、では答え合わせです。
【解説】
(1)
コマが頂点Dにとまるためには、
大小2つのサイコロの出た目の「和」が
3か7か11 (← 2つの目の和は最大12ですからここまでですね。)
のいずれかになる場合だけですね。
それぞれの場合、2つの目の“組み合わせ”を考えると
和が3 → (1,2)
和が7 → (1,6)(2,5)(3,4)
和が11 → (5,6)
となり、この5パターンの組み合わせに対し、それぞれ
“どちらが大のサイコロの目で、どちらが小のサイコロの目なのか”
を考えると、順番を入れ替えたもの(いわゆる「ならべ方」)が考えられるため
それぞれ2通りずつ実際の目の出方があります。
よって
2×5=10(通り)
が正解です。
(2)
コマが頂点Aまたは頂点Cにとまるためには
大小2つのサイコロの出た目の「積」が
2か4か6か8か10か………か34か36 (←2つのサイコロの目の積は最大36)
ですね。
うーん…
メチャクチャ多い!( ̄ロ ̄lll)ガーン
ただ、一言でいえば
「積が偶数になるとき」
ですね。
「積が偶数」になるような2つの目の“組み合わせ”は?
と考えると…
どちらか一方が偶数なら必ず積は偶数になりますね!
つまり
① 片方だけ偶数の場合
② 両方とも偶数の場合
の2パターン存在します。
これらをすべて求めることもできますが、
わりと多くて結構大変( 一一)
実は
この問題を解くうえでの重要ポイントは
「求めたいものではない方に注目すること」
なんです♪
つまり
「積が偶数」になる場合の数を考えるのではなく
わざと
「積が奇数」になる場合の数を考えるんですね^^
「積が奇数」になるような2つの目の“組み合わせ”は?
と考えると…
両方とも奇数の場合
しか存在しません!
ん?
両方とも奇数の場合って…
大のサイコロの目は1か3か5の3通り、
小のサイコロの目も1か3か5の3通り
だから、
大小2つのサイコロの目の出方は全部で
3×3=9(通り)
と、積の法則で簡単に求まるじゃん!!
と気づけば勝ち♪
あとは、
大小2つのサイコロをふって出る目の出方の総数(すべての場合)が
6×6=36(通り)
ですから、
これから先ほど求めた「求めたいものではない方」の9通りを引けば、
求めたかった「積が偶数になる場合」は
36-9=27(通り)
と求まるわけです。
このような
「すべての場合の数から、求めたいものではない方の場合の数を引く」
考え方を
余事象(の考え方)
と呼びます。
この余事象については、
特に難関校を目指す受験生にはしっかりと定着させておきたいもの
ですから、この機会に意識づけをさせてくださいね。
ちなみに今回扱ったこの問題、
男子難関校である
海城中学校の入試問題でした。
それではまた次回お会いしましょう♪