みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。
前回のブログで
「約数の個数」
の応用問題について触れました。
今回のブログでは
前回と同じタイプだけどさらに難易度の高い問題
に触れていきましょう。
ではいきます!
1から50までの中で約数を8個持つ整数をすべて答えなさい。
(考え中)
(考え中)
もちろん、
1から50までの数字の約数が何個あるのか、
すべて調べるのはダメですよ。
前回と同じように
「約数を8個持つ整数は、素因数分解したら、どのようなかたちで表されるのか」
を考えていきましょう!
ただ、今回の場合は
「素因数分解したときのかたち」
が何パターンかありますよ。
全パターン思い浮かびますか?
では説明していきます。
約数を8個持つ整数をNとしてみます。
おそらく真っ先に思いつくパターンからいきましょうか。
それは、
このNを素因数分解したときに
“素数が1種類しかない”場合の
というかたちで表されるときです。
「×A」が7個あるので、このNの約数は
7+1=8(個)
と決まります。
では、別のかたちも考えてみましょう。
それは…
“素数が2種類ある”場合の
というかたちです。
「×A」が3個と「×B」が1個あるので、
この場合も約数が
(3+1)×(1+1)=8(個)
となりますよね。
実はこれ以外にもあるのですが気づきますか?
もしかしたら、ここまでは思いついた方も多かったかも知れません。
ただもう1つ、
“素数が3種類ある”場合の
というかたちもあるんですね~。
「×A」が1個、「×B」が1個、「×C」が1個あるので、
この場合も約数が
(1+1)×(1+1)×(1+1)=8(個)
となります。
このパターンが最初から見つけられている方は立派です!
ということで、まとめてみましょう。
あとはそれぞれの場合に、
実際のNの数値を考えていきましょう!
➀の場合
(もちろんAは素数であることに注意して)
小さい順に
N=2×2×2×2×2×2×2=128
N=3×3×3×3×3×3×3=2187
N=5×5×5×5×5×5×5=とんでもない数
となっていきます。
今回の問題ではNは1から50までの整数ですから、
この場合にあてはまる数はないんですね。
次に②の場合のNを考えていきましょう。
これは“小さい順”に書き出していくことが難しいかも知れません。
まずはAを最も小さい場合の2に固定して
Bを小さい順に書き出してみましょうか。
すると、
N=2×2×2×3=24 ◯
N=2×2×2×5=40 ◯
N=2×2×2×7=56 ×(50をこえたので不適)
となります。
次は、Aを2の次に小さい場合である3に固定すると
N=3×3×3×2=54 ×(50をこえたので不適)
のように1つ目から不適ということになるので、
これ以上調べる必要がありません。
最後に③の場合のNを考えます。
まずはAを最小の2、Bを2以外で最小の3に固定してみましょうか。
すると、小さい順に
N=2×3×5=30 ◯
N=2×3×7=42 ◯
N=2×3×11=66 ×(50をこえたので不適)
となります。
次にAは最小の2のまま、Bを2,3の次に小さい5として考えると…
N=2×5×7=70 ×(50をこえたので不適)
とわかり、
1つ目から不適なのでやはりこれ以上調べる必要はありません。
ということで、この問題の答えは
24,30,40,42
の4つとなります。
いかがでしたか。
この問題は非常に難しい問題だったかと思います。
前回もお伝えしたように、
「約数を◯個もつ整数」
を考えなければならないときは、
「素因数分解したら、どのようなかたちで表されるのか」
を丁寧に考えていくことが大切であり、
さらには、それぞれのかたち(パターン)において
いかにして“抜けのないように調べるか”も大切なポイントですね。
今回お話したように、
“小さい順” とか “◯◯を固定して…”
といった自分なりの工夫・ルールを作り、
それに従って丁寧に書き出していくクセをつけていきましょうね。
それでは今回はここまで。
またお会いしましょう!