みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。
前回まで2話連続で
「立体の展開図」についてお話をしてきました。
そして前回のお話の最後に1つ問題をお出ししました。
いかがでしょうか。
求められましたか?
もちろん、
「すべての辺の数 - 切ってはいけない辺の数」
という流れで考えていきます。
さて、ここで少し悩むのは
「すべての辺の数」
ではないでしょうか。
この立体の辺は全部で何本あるのでしょうか。
そう、今回のブログは
「多面体の辺の本数の求め方」
がテーマです。
今回、見取り図が与えられていますので
なんとかかぞえることも可能かも知れませんね。
ですが、ここはやはり「計算で」求めていきたいところ。
そこで必要となるのが
「のべ数」
という考え方です。
のべ数とは?
「のべ」ということば、
聞いたことがあるかと思います。
では「のべ」とは何でしょう?
この質問を生徒に質問すると
返ってくる答えで多いのが
① 合計
② およその数
の2つ。
残念ながらどちらも不正解。
なんとなく気持ちはわかりますけどね♪
特に①はだいぶ正解に近いのですが…。
たとえば
「東京ディズニーランドの年間入園者数はのべ3000万人」
だそうです。
たしかにこの表現では「およそ」の表現になっていますが、
「のべ」の正確な意味は、
「同じもの(人)を何回もダブって数えた合計」
なのです。
そりゃそうですよね。
本当に3000万人の人が1年間に入園していたら、
日本国民およそ1億2000万人として
「日本国民の4人に1人が毎年1回東京ディズニーランドに行っている」
ということになってしまいます(笑)。
実際にそんなことはなく、
たとえばディズニーランドが好きすぎて、年間パスポートを購入し
「1年間365日毎日ディズニーランドに行く」
という人がいた場合、
この人は
「同じ1人の人なのに、年間入園者数としては365回数えられている」
わけです♪
いかがですか。
なんとなくつかめたでしょうか。
さて、今回の辺の数も
まずは「のべ数」を考えていきましょう!
解説
辺が3本ある正三角形が20個集まってできている立体ですから、
単純に考えて全部で
3×20=60(本)
ありそうですよね。
これが「のべ数」です。
なぜなら、実際には
「このうちの何本かは、同じ辺を何回かダブって数えているから」
です。
では、いったいどれだけダブって数えているのでしょうか。
下の図を見てください。
図の●印のついた辺は
番号をつけた2つの面に共通な辺なので、
2回数えられていることがわかります。
▲印のついた辺も同様に2回数えられていますね。
他の辺たちもすべて
2回ずつ数えられている
ことがおわかりになるかと思います。
まぁ、それはそうなんですけどね。
なぜなら
辺は“面と面をつなぐ”ためにあり、
“1つの辺でつなぐことができるのは2面”ですから、
どの辺も2回ずつ数えられているはずなんです。
ということで、先ほど求めた60本というのべ数は、
本来数えたい辺すべてが2回ずつ数えられた結果の合計数なので、
実際の辺の本数は
60÷2=30(本)
と求まるわけです♪
そして、「切ってはいけない辺の数」は
「面の数-1」で求められますから、
20-1=19(本)
が「切ってはいけない辺の数」となり、
「正二十面体」の展開図を作るためには、全部で
30-19=11(本)
の辺を切る必要があるとわかりました!
いかがでしたか。
非常に難易度は高い問題なのですが、
「理屈がわかりさえすれば意外と簡単かも♪」
と感じてもらえると嬉しいです(^^)
今回の問題、
難関校の実際の入試問題でも目にするものですので、
是非お子様にもご覧いただければ、と思います。
それではまた次回お会いしましょう!!