みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。
さて今回は「割合」のお話。
先日、生徒から
「先生、結構前に○○(某ファミレス)に行ったとき、
全部半額で超得したんだよ~」
という話をされました。
それはすごい!超お得じゃん!!
と思い、よくよく聞いてみると…
そのファミレスでは
会計の半額ぶんを金券で返還する
というサービスをされていたそう。
最近あまり聞かなくなりましたが…
私が小学生の頃に、近くに
「金券半額返還デー」
という“のぼり”を表に出している靴屋があったことを思い出しました。
最近は
「半額ポイント還元」
といったりするのでしょうか。
そこで改めて、その生徒に
「本当に“半額”だったと思ってる?」
と聞いたら、本人は「へ?違うの?」という顔をしていました。
そうですよね。
おとなはすぐに理解できるかも知れませんが、
小学生にとってはそう感じるのも仕方ないのかも…。
実際に、今回の割引率はどの程度だったのかを考えてみましょう。
ここでは、シンプルにわかりやすくするために
1000円の食事をする (会計時1000円払って、500円の金券をもらう)
次の機会に500円の食事をして金券で払う (つまりは無料)
という流れで考えてみましょう。
そうです。
当然、最初の食事(会計)の際にはそのときの料金すべて現金で払う必要があり、
そのときもらった半額分の金券は、そのあと再び来店して使うしかないわけです。
つまりこの例の場合は
1000円+500円=1500円
ぶんの食事代金に対して
1000円だけ払ったわけですから、
割引率は
1000÷1500=2/3
1-2/3=1/3=0.33333… → およそ33%
となります。
半額つまり50%“還元”と50%“割引”とでは
大きく異なるというわけです。
では、生徒が感じたように
“本当に半額で食事をした”
と言える状況になるためには
会計の何%ぶんを金券で返還してもらう必要があるのでしょう。
これは次のように考えます。
はじめの食事代(会計金額)を“100”円としましょう。
それに対して□%ぶんを金券で返してもらいます。
つまり“□”円ぶんの金券を手に入れることになりますね。
この金券を使って次回の来店時に
ぴったり□円ぶんの食事をして
会計では□円の金券で支払います(つまり無料です)。
この状況では
100+□ 円ぶんの食事代に対して
100 円だけ現金で支払ったわけですから、
割引率は
1-□/(100+□)
と計算できます。
これが半額(つまり1/2)になってほしいので
1-□/(100+□)=1/2
□/(100+□)=1/2
となり、
□=100
のときに、この式は成り立ちます。
つまり、
100%ぶんの金券を返還してもらえたときに
本当に半額で食事ができた
と言うことができるのです。
さすがにそんな良心的なお店は…
あるのでしょうか…
いかがですか。
割合の基本をきちんと理解できていないと
もしかしたら騙されてしまうかも…
といった例でした。
是非お子様に考えてもらいたいテーマです。
それではまた次回。