こんにちは!算数科のEです。
6年生の皆さん、先日行われた第1回合不合判定テストはいかがでしたか?
計6回にわたって行われるこのテストは、回数を繰り返してテストに慣れる、とか
回数を増やしてデータの信ぴょう性を高めるという意図の他に、
6年生の全範囲にわたって出題する、ということを目指しています。
四谷大塚の公式サイトにもあるように、
1回のテストで出題することができる学習領域には限りがあるため、
6回のテスト機会を設けることで、受験に必要な領域をできるだけ網羅して出題する、
というコンセプトで作成されています。
したがって点数や偏差値で一喜一憂しておしまいにせず、
しっかりと振り返り分析しておくことが重要です。
どんなテーマが正解できて、何がまだ曖昧だったのか。
自分自身の「解ける問題だ」という見極めや、「解けた」という手ごたえは、
実際の正答状況と一致していたかどうか。
最低限、以上の2点を意識して、振り返っておきましょう。
【2016年度第1回合不合判定テスト出題テーマ】
ちなみに算数の第1回で出題されたテーマは以下の通りです。
2⃣
(1)仕事算
(2)周期算
(3)柱体の表面積
(4)組み合わせ(リーグ戦)
(6)おうぎ形の面積
3⃣
池の周りの旅人算
4⃣
倍数と集合
5⃣
平面図形と比
6⃣
(1)折り返し(角度)
(2)比と割合の文章題
(3)3量のつるかめ算
7⃣
個数のある売買
8⃣
体積と底面積・高さの関係
(おもりを沈める問題)
9⃣
規則性の利用
算数が苦手なお子さんでも、4⃣の(1)までは確実に得点できる状態に
しておきたいところです。
また、頻出テーマであるにもかかわらず、今回出題されなかった、
食塩水の問題や過不足算、円すいに関する問題などは、次回7月10日の
第2回合不合判定テストで問われる可能性が高いですね。
しっかり対策を練って臨みましょう。
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【注目の1題 規則性を図で視る】
さて、今回のブログでは9⃣で出題された「規則性」の応用問題を、
目に見えるように図にしてみましょう。
問題ではこのような数の並びが示されていました。
1
1 2
1 3 5
1 4 7 10
どの段の数字も1から「始まり」ますが、
下の段に行くにつれて、並ぶ数字の「個数」が
1段目→1個
2段目→2個
3段目→3個
4段目→4個
と、だんだん増えながら、
並ぶ「数どうしの隔たり」は
2段目→隣の数との差が1
3段目→隣の数との差が2
4段目→隣の数との差が3
と、だんだん広がっています。
ここまで分析しただけでも、(1)なら解ける可能性がありますね。
100段目の右端は
1から「始まり」
100「個」並んでおり
隣の数との「差」は99ですから、
等差数列のN番目を求める公式に当てはめて
1+99×(100−1)=9802
と、求めることができました。
では(2)はどうでしょうか?
この数の並びの中で、1回しか現れない数にフォーカスを当て、
1回しか現れない数のうち小さい方から数えて10番目の数は何かと聞かれています。
決まりはシンプルですが、この先どんな数が現れてくるのか?
現れない数に何かしら決まりはあるのか?
一見、むむむっ、となるかもしれません。
それぞれの段に登場する数字を全部書き出して、
根性でチェックするしかないのでしょうか。
書き出す時間の余裕や気力が残っていればそれもありですが、
何か仕掛けがあるんじゃないか、気になるところですね。
ところで、これらの数の並びを数直線でイメージしてみるとどうなるでしょうか?
これを、はじめの「1」までと、そこから先とに分けてから、「1」より先の部分に注目してみます。
そろっている「1」のところをスタート地点(0)のようにして考えてみると、
2段目の1
3段目の2
4段目の3
6段目の5
は、これ以外に縦に一致する点が存在しません。
一方で、4は5段目にも3段目にも登場します。
このように、一致するものがあるかないかを決定づける要素は何でしょうか。
それは、スタート地点からの隔たりを、複数の表し方ができるか、
それとも一通りの表し方しかできないか、という違いですね。
1や2や3や5では、それ以外の表し方ができないので、他のどの段とも重複しません。
4の場合は、2×2と4×1という2種類の表し方が存在します。
つまり、他の数のかけ算の形で表せない数、すなわち「素数(または1)」が初めに登場する点では、
他のどの段とも重複しない、という法則が発見できました。
したがって、小さい方から1、2、3、5、7、11、13、17、19、23で、10番目は23になります。
実際に登場する数としては、初めに切り離していた1を加えて
23+1=24ということになります。
続く(3)では111が現れる段が問われています。
同じように考えてみると、
111−1=110を作ることができるのは何の倍数か?ということになります。
110は何の倍数かというと、約数を書き出してみれば、2、5、10、11、22、55、110ですね。
2の倍数は3段目ですが、110まで至りません
5の倍数は6段目ですが、110まで至りません。
10の倍数は11段目ですが、これも110までは至りません(10×10=100まで)
11の倍数は12段目で、数が12個ならびますので、11×10=110が登場します。
22の倍数は23段目でOK
55の倍数は56段目でOK
110の倍数は111段目でOKです。
よって、12、23、56、111段目が当てはまり、それ以外にはないということもわかります。
【今回のまとめ】
このように、数が登場した時に、視覚化することによって、
「分ける」ポイントが発見しやすくなったり
「ボリューム感」を感じながらアプローチしていくことで、
ひらめきが浮かびやすくなる効果があります。
大きな数は長い線で。広い隔たりは遠く離れた点として、
目で見て数を感じて、複雑な問題に隠された
シンプルなトリックを見抜いていきましょう。