みなさん、こんにちは。受験ドクターのEです。
夏休みの学習は順調に進んでいますか?
目で視る算数、今回は「取り違え問題」を深めてみましょう。
サザエさんのように財布は忘れませんが、買うものを逆にしちゃう、という
そそっかしいうっかりさんが登場しますので、またの名を「うっかり算」と言うとか言わないとか!?
それではさっそく実際の問題を見てください。
合わせて21枚買ってくるようにお願いされて、ちょうどぴったりになる
金額を預かってコンビニにやってきました。
ところが、うっかり50円切手と80円切手の枚数を逆にしてしまったので、
150円余り、なぜ余るんだろう、
と深く考えもせずにそのお金で好きなジュースを買って帰ったところ、
お姉さんにこっぴどく叱られてしまいました。
そのやりとりの一部始終を聞いていたタラちゃんは、
どちらを何枚とも聞かずに正しい枚数で買って帰ってきてくれました。
さて、もともとかつおくんは、50円切手を何枚、
80円切手を何枚買って来るように言われていたのでしょうか。
何かを、いくつか、というかけ算の関係は面積図で表すとシンプルになります。
例えば「50円の切手を何枚か」であればこの通りですね。
同じように、「80円切手を何枚か」という図を描いたものを並べると、このようになります。
この図で合計枚数や合計金額を示す場所は、以下の通りです。
今回は、「本来の(予定の)買い方」と「間違ってしまった(実際の)買い方」という
2通りの場面がありますので、上の図に加えてもう一つ
このような場面も図に描きます。
ここまでくると、問題文の情報をすべて図に整理するまでもうひといきです。
2つの場面が把握できたところで、まだ図に書きこめていない、
「150円余った」という情報について考えてみましょう。
これは、2つの場面を「比較」した情報です。
そして、種類としては、合計金額に関する、差の情報です。
図でいうと、2つの場面の「面積の差」ということになりますから
差は端をそろえて重ねるの原則通り、この2つの場面の図全体を
重ねてみましょう。
どこがはみ出しましたか?
この部分ですね。
これが、2つの場面の面積(=合計金額)の差、
150円を表しています。
こうして、50円切手と80円切手の枚数の差が5枚だった
ということがわかりました。
すると、枚数の和は21枚だとはじめに分かっていましたので
和差算を利用して
(21-5)÷2=8枚・・・少ない方
(21+5)÷2=13枚・・・多い方
と、それぞれの枚数を求めることができます。
つまり今回は
50円切手を8枚、80円切手を13枚買って来るように言われて、ちょうどの金額
400+1040円=1440円持っていたのに。
間違えて
50円切手を13枚、80円切手を8枚買ったために、
650+640円=1290円しかかからなかったので、
1440円-1290円=150円余ってしまったのですね。
今回の問題文には、それぞれの枚数も、合計金額も与えられていなかったわけですが、
枚数の合計と、合計金額の「差」が分かっていたので、
面積図で表す時も、「横の和」と「面積の差」を目で見えるように配置すればよい、
というふうに発想しました。
横の長さの和は、和の線分図ですから、並べてつなげます。
面積の差は、端をそろえて重ねたときのはみ出し部分ですから、どこかの端をそろえて重ねてみます。
描いて、分けて、配置して(整理して)
目に視えるようになりましたね。
最後にもう一つ、次のような場面ではどうでしょうか。
合わせて1150円ぶん買ってくるようにお願いされて、
コンビニにやってきました。ところが、またもやうっかり50円切手と
80円切手の枚数を逆にしてしまったので、
300円足りなくなってしまいました。
今度はそれぞれの切手を一体何枚ずつ買うべきだったのでしょうか。
今回も2つの場面、そのまま描けますか?
2つ目の場面では、
1150円の予定が300円足りなくなったのですから
1450円かかったということですね。
今回は合計金額の和もわかりますから、それを使ってみましょう。
和はぴったり並べるの原則通り、この2つの場面の図全体を
見やすく並べみます。
ほら。ぴったり並びました。
縦に(笑)
これで、枚数の合計の情報が手に入りましたから、
最初の場面に戻してやれば、
つるかめ算を利用して
50円切手を15枚、80円切手を5枚買う予定だったとわかります。
今回は基本技の組み合わせで、
面積図を使って問題の情報を整理する工夫について述べました。
次回は「速さ」の情報整理術について紹介します。
お楽しみに。