桜が咲き、春らしい陽気に包まれてきました。
今日は新年度を迎えるこの時期だからこそ、算数の根本の根本、四則演算のイメージ化に関するツールを
整理してみたいと思います。
まずは基本の2つ、和と差の線分図
和はつなげた端から端まで、差は端をそろえて重ねた「はみだし部分」というイメージですね。
このように、割り算は「同じもの」が「いくつかある」というイメージ、
そして仲間はずれのはんぱが「あまり」です
また、あまりのない割り算やかけ算は下のように面積図で表すこともできます。
このように、公倍数は複数のリズムの足並みがそろうイメージ
公約数は2つの線分図を等分する「共通めもり」のイメージといえます。
この公約数の図からは、2つの数の公約数は、その2数の「差」の約数にもなるという重要性質も
確認できるでしょう。
割合の大事なところは、「対応する2種類の数」です。
片方が2倍になればもう一方も2倍、そんなかけ算(わり算)の関係ですね。
かけ算で表される2つの場面を比較するときに用いられる面積図です。
特に、面積(かけた答え)が等しい場合は縦と横が逆比になるパターンとして出てきますね。
さて、今日はいくつかの基本形の中でも、かけ算で表される関係を面積図で表した後に、
さらにその答えについて足したものや引いたものがわかっている、というように、情報が絡み合っているパターンについて整理します。
2つの面積図をぴったりくっつけた形になっています。
それぞれの縦と横の「和」、そして面積の「和」が分かっているときは、この形に整理すると
つるかめ算で新しい情報を得ることができます。
それぞれの縦の情報と、横の「和」、そして面積の「差」がわかっているという場合はどうでしょう。この場合、面積図としては図のように2つの長方形を上下に別れて配置します。
この長方形と
この長方形の差が
もとの2つの長方形の面積の差と一致するという性質を利用します。
(A+☆)-(B+☆)=A-B ということですね。
これはいわゆる弁償算タイプのつるかめ算になっています。
ここまでは横の「和」が与えられているときの図でしたが、横の「差」が手がかりになっている場合は
どうでしょうか。それが、次に紹介するタイプの図です。
2つの長方形が左下をそろえて重なっている状態です。
☆の部分では差がつかないので、上にはみ出している部分と横にはみ出している部分の「差」
が、もとの長方形の面積の差と等しくなっていることを利用します。
前回のブログで紹介した、速さの差集め算もこのタイプの面積図を利用していました。
この差と差の面積図の中でも特に、横の差がゼロ、という場面が、いわゆる「差集め算」の基本形になります。
ここまで、面積図と和と差の融合について紹介してきました。
整理すると
横の和、面積の和→つるかめ算
横の和、面積の差→弁償算
横の差、面積の差→差集め算など
となりましたが、あと一つ
横の差、面積の和というパターンが組み合わせのうえでは残っていますね。
イメージできますか?
【横の差と面積の和の図】
差は重ねる、和は並べる、の原則にそって
横は重ね、長方形どうしは重ならないように並べています。
たとえばどんな問題になるかというと、次の通りです。
【問題】
1本140円の高級鉛筆と1本30円の普通の鉛筆を何本か買いにいきました。普通の鉛筆の方を高級鉛筆よりも5本多く買ったところ、代金はちょうど1000円でした。
それぞれ何本買いましたか?
このように分けて整理すると、850円÷(140+30)=5本・・・図のオレンジ部分の横
と求めることができますね。
【まとめ】
このように、ときには問題文を離れて情報の「タイプ」や数値の関係に着目して、何が分かっているときにはどんな整理の仕方をして、その結果どんな技が使えるのか?というように、自分がこれまでに習得したワザの棚卸作業をしておくと、これからさらに複雑な問題に向き合うとき、あるいは範囲の広い実力テストに挑む時に有効です。
長いようであっという間の1年です。今、自分が使いこなせる技を一通り目の前に広げて、しっかりと「手入れ」をしておくと、その大切に磨き上げた道具がいざという時に自分を助けてくれますよ。
頑張ってください。