みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
理科や算数であたりまえに使っている単位。
使ってはいるけども使いこなしていない生徒をよく見かけます。
上手な使い方を覚えれば、中学受験だけでなく高校・大学まで役に立ちます。
そんな単位の使い方を、何回かに分けてお伝えしていきます。
第1回の今回は、単位のつくりに関する常識?な話。
具体的にいうとコレについての話をしていきます。
密度や速さなどの色々な単位に入っているこの斜線、どれだけの小学生が意味を知っているのでしょうか。
実はこれ、分数の横線と同じ意味なんだと教えると、「知らなかった~」が返ってきます。
このことを知っていれば、計算方法を考えるときに役立ちます。
分数はわり算の式になおせますから、先ほどの密度の単位を変換すると…
このように、単位からたどって計算公式を考えることができます。
式が1つわかればあとは簡単。いわゆる3公式はすぐにわかります。
あまり好きではないのですが、下図のテントウムシや面積図にあてはめてみます。
どちらの図も使い方はほぼ同じです。
注目するのはAの部分。3公式のうち、ここだけがかけ算の式になります。
3公式はかけ算1つとわり算2つ、毎回この組み合わせです。
先ほどの密度の式から、Aにあてはまるものを探してみます。
密度 = 重さ ÷ 体積
わり算の式の中では、割られる数がAですから、重さがA、他の2つがB・Cだとわかります。
これで密度・重さ・体積を求める3つの公式がわかります。
高校の物理・化学レベルになると単位が増えて、スラッシュ記号の意味が分からないと解けなくなります。
実際に私も高校・大学の物理計算でお世話になりました。
小学生のうちは複雑な単位はあまり使わないので、知らなくても無理はないですね。
しかし、知っておけば公式暗記の手助けにもなり、未知の単位が出題されても対応できるようになります。
ぜひこの使い方を覚えておいてください。
ついでに3公式といえば食塩水の濃度計算もありますよね。
これの説明をし始めると長くなってしまうので、ちょっとだけ要点を。
濃度の単位はパーセントですが、このパー(per)の部分、先ほどの密度の単位にも入っています。
g / ㎤ の読み方は(グラム パー 立法センチメートル)です。
要するにパーの意味は /記号、つまりわり算を意味しています。
パーがつくものはすべてわり算と考えると、食塩水の3公式でも役立ちそうですよね。
それでは今回はここまで。
次回以降、単位に関する注意点をお伝えしていきます。
ちなみにわり算記号「÷」を使う国は、実はかなり少ないです。
÷はイギリスのある学者が使い始め、アメリカ、日本と伝わってきました。
他のヨーロッパ諸国では
6 ÷ 2 = 3 ではなく、
6 / 2 = 3 と教えているようです。
日本も最初からこう教えていれば、「/ = わり算」と理解しやすかったはずですけどね。