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投稿日:2020年06月05日

テーマ: 算数

単位① ~単位のつくりと3公式~

 

みなさんこんにちは。

理科・算数担当のT.H.です。

 

理科や算数であたりまえに使っている単位。

使ってはいるけども使いこなしていない生徒をよく見かけます。

上手な使い方を覚えれば、中学受験だけでなく高校・大学まで役に立ちます。

そんな単位の使い方を、何回かに分けてお伝えしていきます。

 

第1回の今回は、単位のつくりに関する常識?な話。

具体的にいうとコレについての話をしていきます。

 

20200603_1

 

密度や速さなどの色々な単位に入っているこの斜線、どれだけの小学生が意味を知っているのでしょうか。

実はこれ、分数の横線と同じ意味なんだと教えると、「知らなかった~」が返ってきます。

 

20200605_2

 

このことを知っていれば、計算方法を考えるときに役立ちます。

分数はわり算の式になおせますから、先ほどの密度の単位を変換すると…

 

20200605_3

 

このように、単位からたどって計算公式を考えることができます。

式が1つわかればあとは簡単。いわゆる3公式はすぐにわかります。

あまり好きではないのですが、下図のテントウムシや面積図にあてはめてみます。

 

20200605_4

 

どちらの図も使い方はほぼ同じです。

注目するのはAの部分。3公式のうち、ここだけがかけ算の式になります。

3公式はかけ算1つとわり算2つ、毎回この組み合わせです。

先ほどの密度の式から、Aにあてはまるものを探してみます。

 

密度 = 重さ ÷ 体積

 

わり算の式の中では、割られる数がAですから、重さがA、他の2つがB・Cだとわかります。

これで密度・重さ・体積を求める3つの公式がわかります。

 

高校の物理・化学レベルになると単位が増えて、スラッシュ記号の意味が分からないと解けなくなります。

実際に私も高校・大学の物理計算でお世話になりました。

 

小学生のうちは複雑な単位はあまり使わないので、知らなくても無理はないですね。

しかし、知っておけば公式暗記の手助けにもなり、未知の単位が出題されても対応できるようになります。

ぜひこの使い方を覚えておいてください。

 

ついでに3公式といえば食塩水の濃度計算もありますよね。

これの説明をし始めると長くなってしまうので、ちょっとだけ要点を。

 

濃度の単位はパーセントですが、このパー(per)の部分、先ほどの密度の単位にも入っています。

g / ㎤ の読み方は(グラム パー 立法センチメートル)です。

要するにパーの意味は /記号、つまりわり算を意味しています。

パーがつくものはすべてわり算と考えると、食塩水の3公式でも役立ちそうですよね。

 

それでは今回はここまで。

次回以降、単位に関する注意点をお伝えしていきます。

 

ちなみにわり算記号「÷」を使う国は、実はかなり少ないです。

÷はイギリスのある学者が使い始め、アメリカ、日本と伝わってきました。

他のヨーロッパ諸国では

6 ÷ 2 = 3 ではなく、

6 / 2 = 3 と教えているようです。

日本も最初からこう教えていれば、「/ = わり算」と理解しやすかったはずですけどね。

 
 
 
20200605_5

 

算数ドクター