みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
前回に引き続き、単位のはなしをしていきます。
今回扱うのはつるかめ算・差集め算などで使う面積図。
その中での単位の注意点をお伝えしたいと思います。
例題
ツルとカメが合わせて20匹います。足の本数が合計52本あるとすると、カメは何匹ですか。
この問題を解くとなると、下のような面積図を描く人が多いと思います。
もちろん面積図で解くことは問題ありませんし、この図で合っています。
しかしこのとき、4つの数字を書き込む位置を、本当に理解できているでしょうか。
なんとなく慣れで書き込んでしまっていないでしょうか?
これをしっかり理解できていない場合、
他の単元とつるかめ算の複合問題で、面積図がつくれずに苦しむはずです。
これを解決する手段が、単位です。
面積図に単位をつけて書き込んでみます。
赤字で書いた単位に注目です。
これが今日お伝えしたい「横並びは同じ単位」です。
右と左の数字がいくつか集まって面積になるわけですから、同じ単位になるのは当たり前です。
この当たり前のことを意識できるかどうかで、応用力に差がつきます。
これを知っていれば、20匹と52本を逆に書き込むなんてミスはなくなりますよね。
下図のように解く場合も言いたいことは一緒です。
横並びになっている赤字の部分は全て同じ単位です。
次は少し難度を上げて、速さのつるかめ算を考えてみます。
太郎君の家と学校は1520mはなれています。太郎君の速さは歩きだと分速80m、走ると分速150mとします。家から学校まで12分間で到着するためには、何分間走る必要がありますか。
この問題を見て、瞬時につるかめ算だと判断できれば、優秀です。
入試はこの判断力の勝負であり、判断できれば確実に解けなければいけません。
面積図をかくときには「先生の面積図をマネして・・・」ではなく、
自分の考えでしっかり単位をそろえて書くようにすれば確実です。
面積図は下図のように、m(メートル)が横並びにそろいます。
細かく言えば、道のり(m)と速さ(m/分)は別々の単位です。
しかし、分速とは1分間にすすむ道のりのことなので、単位がⅿでそろったと考えると楽です。
1分間あたりの道のり150mと80mがいくつか合計されて1520mになるということですね。
さらに厳密に言うと、つるかめ算の左右には「単位量当たり」の数字が入ります。
カメの足の場合も「4本」ではなく、1匹当たりの本数「4本/匹」という意味が正解です。
「4本/匹」→「4匹」の変換と、「80m/分」→「80m」の変換は同じですよね。
「横並びは同じ単位」の原則は、他にも差集め・過不足・平均などにも使えます。
面積図だけではなく、てんびん図などの他の図においても同様のルールを使うことができます。
図と単位のルールを意識して、素早く、正確な計算につなげましょう。