みなさま、こんにちは。
受験ドクター算数科のHH講師です。
本日は、立方体から立方体を取り除く問題を扱いたいと思います。
問)
下の図1のように、大きい立方体の角から小さい立方体を切り取った立体があります。
この立体の体積は1603㎤であり、大きい立方体と小さい立方体の一辺の長さの差は7㎝でした。この立体の一部分である図2の直方体ABCDーEFGHの体積を求めなさい。
いかがでしょうか?
たてもよこも長さがわからないのでどうしたものかと悩みますね。
初見で解くのはなかなか難しいはずです。
【ヒント】
方陣算の根本原理をイメージしてみましょう。
方陣算と言えば、4つのブロックに分けるというイメージが重要ですので、今回の問題も同じ大きさの図形に分けて考えてみましょう。
図2の立体を分けると下の図3のようになります。
すると、同じ大きさの白い直方体3つと黒い立方体1つに分けることが出来ました。
さて、ここからは解説です。
黒い立方体の1辺の長さは、問題文より7㎝です。
よって、白い直方体3つの体積の合計は、全体から黒い立方体を引いて、
1603-7×7×7=1260㎤
です。
したがって、求める直方体の体積は、
1260÷3=420㎤
となります。
解き方がわかれば何てことのない問題でしたね。
解ける解けないの分かれ目は、同じ大きさの3つの直方体と1つの立方体に分けられるかどうかという点ですが、方陣算の根本原理を学んでいればその点に気付くことが出来たかもしれません。
また、方陣算を学ぶ際に、単に4つに分けるという解法の暗記にとどまらず、同じ大きさに分割することで解ける問題があるんだということに気付くことができていれば、応用的な問題でも太刀打ちできるかもしれません。
一問一問の解法パターンを知っているということももちろん重要なことですが、算数の問題を解く上で有効な考え方を体系的に学び日々の問題演習でそれらを試行することはさらに重要ではないかと思っているこの頃です。
入試直前となりました。
受験生においては、体調に十分ご配慮いただき、最善を尽くせるようお祈りしています。
では次回、またお会いしましょう。