みなさん、こんにちは。受験ドクターの安部公一郎です。
ニュートン算ってご存知ですか?
中学受験算数であるんです。ニュートン算。
かの偉大な科学者 アイザック・ニュートン に関係あるとかないとか。
本日はこのニュートン算を題材に、
算数の問題を解く際の2つの着眼点についてお話します。
2つの着眼点、、、
前回お話ししましたね。
⇒ 総量に注目して解く
⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く
この2つの着眼点は、
算数を解くうえで、とっても重要。
早速
「ニュートン算を2倍楽しむ方法」いってみよー!
〈ニュートン算 線分図で攻略〉
3台では20時間かかり、4台では10時間かかります。6台では何時間かかりますか。
ただし泉の水は一定の割合でわき出てきます。
ニュートン算ですね。
誰がどう見ても。
ニュートン算の解法は、大きく分けて4つあります。
1) 線分図で解く
2) 面積図で解く
3) グラフで解く
4) 式だけで解く
3)は少数派です。
一般的には、1)線分図で解く か 4)式だけで解く ですね。
この1)と4)、実は着眼点が全く違います。
そう、お待ちかね、
⇒ 総量に注目して解く
⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く
どっちがどっちか?
1)線分図で解く ⇒ 総量に注目して解く
4)式だけで解く ⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く
となっています。
先に、
1)線分図で解く 方法をやってみましょう。
最初に泉に入っていた水をかきます。
わいてきた水を足します。
(最初に入っていた+わきだした水)を、
3台で20時間かかってくみ出す
4台で10時間かかってくみ出す わけですから、
10時間でわいた水が、⑳ですから、
1時間あたり、②ずつ水がわくんですね。
最初の泉の水が、⑳とわかりました。
「6台では何時間かかりますか?」という問題。
1台のポンプが1時間にくみ出す水=①
6台なら、1時間に⑥くみ出せますね。
1時間でわく水が②ですから、
⑥-②=④・・・1時間で減っていく水
最初の泉にあった⑳の水を、1時間あたり④ずつ減らしていくと、、、
⑳÷④=5時間 これが答えです。
どうですか。
ポンプでくみ出した水の“総量”に注目して解いていますね。
次に、
4)式だけで解く 方法をやってみましょう。
単位あたりの量(変化量)に注目して解くやりかたです。
〈ニュートン算は○○算+○○算〉
ニュートン算は○○算+○○算
何だか分かりますか?
3台では20時間かかり、4台では10時間かかります。6台では何時間かかりますか。
ただし泉の水は一定の割合でわき出てきます。(再掲)
20時間、10時間でくみ出すわけですから、
「最初の泉の水」の量を、⑳と設定します。
20と10の最小校場合数ですね。
全体量を最小公倍数に設定する、
これって、
仕事算でよくやる手法ですね。
ニュートン算は仕事算の一面を持っていると言えます。
ニュートン算は、 仕事算 + ○○算
式を立てていきましょう。
ニュートン算の式は、いたってシンプル!
はじめの量 ÷ ( 減らす量 - 増える量 ) = 時間
と表せます。
これ、どこかで見覚えありませんか?
えっ?ない?
そんなわけありません。
この問題です↓
家を弟が出発して5分後に、兄が家を出発して追いかけると、
兄は出発してから何分後に弟に追いつきますか?
全然違う問題じゃん!
いやいや。まぁ、みてて下さいな。
弟が、分速60mで5分間歩きますから、
分速60m × 5分 = 300m ・・・はじめの兄と弟の距離
300mというはじめの距離(はじめの量)を、
弟は増やそうとし(逃げていく)、
兄は減らそうとする(追いかける)。
1分間に20mずつ接近していく(距離が縮まっていく)。
300m ÷ ( 80m - 60m ) = 15分
はじめの量 ÷ ( 減らす量 - 増える量 ) = 時間
ニュートン算の式とまったく一緒!
つまり、ニュートン算は旅人算の一面も持っているんです。
ニュートン算は、 仕事算 + 旅人算
おおー!スゴイ!
目からウロコ!
では改めて、
最初の泉の水を、
20と10の最小公倍数の⑳とおいて、式を立てると、
⑳ ÷ ( 3台 - わく水 ) = 20時間
⑳ ÷ ( 4台 - わく水 ) = 10時間
逆算して、カッコ内を求めると、
⑳ ÷ 20時間 = ①
⑳ ÷ 10時間 = ②
つまり、
3台 - わく水 = ①
4台 - わく水 = ②
ポンプ1台の違いが、①の差を生んでます。
ポンプ3台なら③ですね。
3台③ - わく水 = ①
水は、③-①で②ずつわいています。
「6台では何時間かかりますか?」という問題。
ここからは、さっきと同じ。
1台のポンプが1時間にくみ出す水=①
6台なら、1時間に⑥くみ出せますね。
1時間でわく水が②ですから、
⑥-②=④・・・1時間で減っていく水
⑳の水を、1時間あたり④ずつ減らしていくと、、、
⑳÷④=5時間
同じ答えになりましたぁ。
めでたしぃ~。
まとめると、
ニュートン算は、 仕事算 + 旅人算
ってことです。
〈ニュートン算二刀流 免許皆伝〉
2つの着眼点、
⇒ 総量に注目して解く
⇒ 単位あたりの量(変化量)に注目して解く
2つの解法を使いこなせれば、
ニュートン算二刀流 免許皆伝でござる。
一つの問題を異なる着眼点で解く。
これが算数の力を伸ばす秘訣。
ニュートン算に限らず、ほかの分野でも試してくださいね。
さて、
2倍楽しめましたかぁ?
そうですか、ありがとうございます。
今宵はここまで。
ではまた。