先週土曜日、国語・社会合体講座の2回目の授業がありました。
今回のテーマは、「生命を支える水と食料の未来」でした。
授業で扱った教材の中に1972年にローマクラブが発表した『成長の限界』という有名な論文がありました。
世界の人口はものすごいペースで増えています。
このまま人口爆発が続けば農耕地は増え続け、20年以内に土地が不足する。
これが1972年のローマクラブの予言でした。
ところが、2012年現在、地球上で土地が不足しているということはありません。
つまり、幸いにもローマクラブの予言ははずれました。
(論文の中では、石油も後20年で枯渇すると予言していましたが。。。)
では、なぜ予言は当たらなかったのでしょうか?
確かに、ローマクラブの不吉な予言(1972)の後も人口は増え続けています。
今から50年前には世界の人口は35億人でしたが、昨年、ついに70億人を突破しました。
ところが、世界の耕作面積はこの間ほとんど増加しませんでした。
にもかかわらず世界的な食糧危機は今のところ起きていません。
キーワードは「生産性」です。
土地の「生産性」とは、一定の面積の土地が作物を生産する能力のことです。
世界の耕作面積が増えなくても、土地の生産性が高くなり世界全体で作物の生産量が増えたことで、世界の人口増加に対応できたのです。
土地の生産性が高くなった理由には、品種改良、農薬、肥料、遺伝子組み換えなどの農業・化学技術の進歩が考えられます。
ただし、生産性の上昇も次第に頭打ちになってきています。
世界の人口問題を生産性の上昇だけでは対応しきれなくなる時が近づいています。
40年前にローマクラブが予言した「成長の限界」に近づいているようです。
わたしたちは自分たちの食生活やライフスタイル、さらには現代文明それ自体をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか?
ところで、今回のキーワードである「生産性」という考え方、小学生にはなかなか理解できないようです。
「セイサンセイって何ですか?」
何度も授業中質問されました。
みんなの身近な例で考えてみましょう。
たとえば、毎朝、算数の計算問題を20分で20問やらなければならないとしましょう。
いつもは1問当たり1分でやれば良いのですね。
ところが、今朝は寝坊してしまいました。
10分しか計算の時間はありません。
今日は計算問題20問全て終わらせるのに1問どれだけの時間で解けば良いのでしょうか?
10分÷20問=0.5分=30秒
今朝は、1問当たり30秒で解いて行けば良いのですね。
逆に、問題数を時間で割ってみましょう。
20問÷10分=2問
これは、1分当たり2問解いて行かなければならないことを意味しています。
いつもは1分当たり1問なのにこの日は2倍のスピードが必要です。
ここでは、「生産性」は一定の時間にできる仕事量のことです。
したがって、今朝は算数の計算問題の「生産性を2倍」にすれば良いのです。
生産性とは効率とほぼ同じ意味です。
睡眠、食事、お風呂、学校の宿題などなど1日の中でやらなければならないことは一杯です。
中学受験の学習時間を増やことには限界があります。
みなさん、学習の「生産性」を上げる工夫をしてみてはいかがでしょうか?
さて、第3回国語・社会合体講座を6月23日(土)13:35~15:00に開催します。
次回のテーマは『科学技術の発展と課題』です。
振るってご参加ください。
お知らせ 6月5日(火)11:00~ 自由が丘校にて「偏差値20アップのノウハウ一挙大公開」セミナー開催!!
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