歴史が苦手というお子さんに共通する症状は次の2つが多いように思います。
①漢字で書けないこと。
②年号をほとんど覚えていないこと。
①は子どもの多くが音でことばを覚えることと関係があるように思います。
確かに赤ちゃんはことばを耳から覚えますね。
英語のような語学の学習の場合、文字から入るのではなく音から入るのは正解です。
しかし、歴史(社会)の学習の場合は音だけで覚えるのはNGです。
なぜなら中学入試は口頭試問では行われないからです。
必ず漢字(文字)で覚えてください。
さて、今回は、②の「年号暗記」についてお話します。
<問題>
次の戦い・戦争を年号の古い順に並べ替えてください。
① A 応仁の乱 B 壬申の乱 C 承久の乱 D 保元の乱
② A 弘安の役 B 慶長の役 C 文永の役 D 文禄の役
③ A 日中戦争 B 太平洋戦争 C 満州事変 D 朝鮮戦争
<答え>
① B→D→C→A
② C→A→D→B
③ C→A→B→D
結果はどうでしたか?
<診断>
全問正解⇒歴史の基本は完璧です。時代の流れが良くつかめています。
1~2問正解⇒弱い時代があります。年号の暗記に力を入れましょう。
全問不正解⇒すぐに年号の暗記を始めましょう。
<基本は声に出して書いてみる>
では、どのように年号を覚えれば良いのでしょうか?
ただ数字や文字をながめているだけではなかなか頭に入りません。
基本は声に出しながら書いてみることです。
一定のインターバルをおいてこれを何度もくり返すのです。
それでもどうしても覚えられない場合には、「語呂合わせ」を用います。
中学入試では年号自体をストレートに聞かれることはあまり多くはありません。
しかし、年号を知っていることが前提になっているような問題がしばしば出題されます。
特に、上記のような「並べ替え」の問題に対して、年号暗記は絶大な威力を発揮します。
年号の並べ替えが苦手なお子さんは、ぜひ年号暗記に取り組んでみてください。
ただし、すべての年号を語呂合わせで覚える必要はありません。
重要な年号やどうしても覚えにくいものだけ語呂合わせで暗記すれば良いでしょう。
また、自分で年号の語呂合わせを考えてみるのも楽しいですよ。
自分が作ったオリジナルの語呂合わせは忘れにくいものです。
<年表の中で覚えるのがコツ>
以前、中学受験に出るような年号をすべて語呂合わせで覚えた、
ものすごい努力家の生徒がいました。
しかし、そのお子さんは年号を知っているのに、
「これは何時代?」と聞かれるとパニックになりました。
これはなぜでしょう?
その生徒は個々の年号をバラバラに覚えていたからです。
これではせっかく苦労して覚えた年号が入試で使えません。
年号語呂合わせはあくまで手段です。
年号暗記の目的は「時代の流れ」をつかむことです。
そのためにも、年号は年表の中で覚えるようにしましょう。
膨大なように思える年号もバラバラに覚えるのではなく、
年表の中で覚えれば、必ず「時代の流れ」が見えてきます!
ぜひ一度お試しあれ!