こんにちは。
社会科担当のDです。
<社会の学習方法>
一般的に、社会の学習方法には、①インプット中心の学習法と、②アウトプット中心の学習法があります。
①のインプット中心の学習法では、社会(地理・歴史・公民)の基礎知識をとにかく覚えます。
授業で先生の話を聴き、ノートを取り、テキストを読み込みます。
他方、②のアウトプット中心の学習法では、問題演習をどんどん行います。
①でインプットした基礎知識が定着しているかどうかを問題演習を通じて確認していきます。
<インプット中心かアウトプット中心か?>
では、インプット中心の学習法が良いのでしょうか?
それともアウトプット中心の学習法が良いのでしょうか?
結論から言いますと、インプットとアウトプットのバランスが大切です。
社会が極端に苦手で基礎知識がほとんど身に付いていない生徒にひたすら問題演習をさせてもほとんど効果はありません。
反対に、基礎知識のインプットがほぼ終わっている生徒にはどんどん良質な問題練習をさせます。
要するに、生徒の状況に応じてインプットとアウトプットのバランスを考えます。
<夏期講習までにやっておきたいこと>
塾の夏期講習は演習問題中心ですからアウトプット中心の学習になります。
ですから夏期講習前のこの時期が基礎固めの最後のチャンスなのです。
もう一度言います。
夏期講習前がインプットの抜け落ちが多い生徒にとって基礎固めをする最後のチャンスです。
この時期、基礎知識のインプットがほぼ完成しているという生徒はそんなに多くはないでしょう。
社会のインプットの抜け落ちがけっこうあるという生徒が大半です。
そこで提案したいのは「アウトプットしつつインプットするという学習方法」です。
もし地理が苦手な場合には、白地図を使った学習方法をお勧めします。
たとえば北海道地方なら実際に北海道を自分で手書きで書いてみましょう。
宗谷岬、知床半島、根室半島、襟裳岬、内浦湾、渡島半島、積丹半島の位置は大丈夫ですか?
北海道の山地・山脈、川、湖、平野・盆地の名前と位置は大丈夫ですか?
そこに、農業(稲作、畑作、酪農)、漁港、都市や工業、国立公園などを芋づる式に書き加えていくのです。
こういった作業(アウトプット)を繰り返すことでいつのまにか基礎知識がインプットできます。
また、歴史が苦手な場合には、年表を自分で作ってみることをお勧めします。
年表は「時代、年号、出来事」がワンセットで覚えられます。
また、年表の最大の利点は時代の流れを俯瞰できることです。
年表を自分で書くことで時代や年号の感覚が身に付きます。
時代や年号が強くなると中学入試によく出る「時代の並び替え」も楽になります。
ぜひ夏期講習前に社会の基礎固めを行いましょう。
そうすることで、夏期講習がもっともっと効果的なものになります!
まさに梅雨を制する者は受験を制す!です。
<お土産:入試問題にチャレンジ!>
ちくわやかまぼこなど魚のすり身から作られる練り物は、地域によって特徴があり、特産品となることもしばしばです。次の表中のア~エは、愛媛県、宮城県、鹿児島県、静岡県のいずれかです。このうち、愛媛県を指すものを、表中のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
(2016年城北中学 問12より)
<解説>
日本各地には魚のすり身から作られる練り製品の特産物があります。「さつま揚げ」は「さつま」という言葉から鹿児島県の特産物だと判断できます。「笹かま」は宮城県の特産物です。「黒はんぺん」は静岡県の特産物です。愛媛県の特産物は「じゃこ天」です。江戸時代、宇和島藩(現在の愛媛県)の初代藩主であった伊達秀宗が故郷の仙台を懐かしんで作らせたとことがはじまりとされています。「じゃこてんぷら」「皮てんぷら」とよばれることもあります。
<今回のまとめ>
・生徒の状況に応じてインプットとアウトプットのバランスを考えることが大切。
・夏期講習は問題演習中心なので、基礎固めは夏期講習前に行う。
・アウトプットしつつインプットする学習法の提案。
・白地図を使った芋づる式に書き込む地理の学習法。
・自分で年表を作る歴史の学習法。