こんにちは。
社会科担当のDです。
6月には、東京都知事の辞職やイギリスのEU離脱など、国内、海外とも大きなニュースがありました。
社会の授業の中でそのニュースにふれました。
そのたびに生徒は興味津々でした。
この様子を見て、こどもを公民好きにするヒントが隠されているのではと感じました。
今回は、こどもを公民好きにする方法についてお話しします。
<なぜ東京都知事は辞職しなければならなかったか?>
当初、強硬に抵抗していたのに、なぜ舛添都知事は東京都議会を解散するのではなく、辞職を選択したのでしょうか?
東京都知事など地方自治体(地方公共団体)のトップを首長といいます。
地方自治法では、首長は地方議会の総議員の3分の2が出席し、出席議員の4分の3が首長の不信任案に賛成した時、10日以内に議会を解散しない限り、辞職しなければなりません。
議会を解散した場合、地方議会議員の選挙の後、新たに選ばれた議員の過半数が首長の不信任を再可決したら、首長は自動的に辞職しなければなりません。
今回、東京都知事が辞職を選択した理由は、東京都議会を解散しても、都議会議員選挙後に都議会議員の過半数が東京都知事の不信任を再可決することが確実だったからです。
つまり、議会を解散してもしなくても辞職はさけられなかったからです。
東京都知事の不信任との関連で内閣不信任についても少し振り返っておきましょう。
内閣不信任の決議できるのは衆議院だけです。
これも衆議院の優越のひとつです。
衆議院で内閣不信任案が可決した場合、内閣は10日以内に衆議院を解散しない限り、総辞職しなければなりません。
<なぜイギリスはEUを離脱したのか?>
イギリスのEU離脱も大きなニュースでした。
イギリスはなぜEUを離脱したのでしょうか?
イギリスのEU離脱の一番大きな理由は移民・難民問題です。
イギリスはかつて「ゆりかごから墓場まで」といわれたように社会保障制度が最も整った国です。
ですから、移民・難民は手厚い社会保障が得られるイギリスに集まってきました。
その結果、イギリスでは次のような問題が生じてきました。
①イギリス人の社会保障費の負担の増大
②テロなどの移民による犯罪の増加
③イギリス文化の喪失
EU残留派のキャメロン首相はEU離脱派を抑え込もうとして国民投票に踏み切りました。
もちろん国民投票で勝利するという前提で。
しかし、結果は、首相の甘い期待とは反対に、EU離脱派が過半数を超えてしまいました。
EU離脱に賛成した人は高齢者に多く、EU離脱に反対した人は若者に多かったそうです。
<こどもを公民好きにする方法>
こどもは好奇心のかたまりです。
おもしろい話には食いついてきます。
しかし、こどもは抽象的な話を理解することが得意ではありあせん。
こどもにはできるだけ具体的な話やたとえ話が効果的です。
地理・歴史と比べて、公民分野は言葉も難解ですし内容も抽象的です。
ぜひニュースや時事問題などをやさしくこどもに話してあげてください。
さらに公民で学習したことと関連づけて話してあげると効果抜群です。
ニュースなどのホットな話を聴くことで抽象的な公民の内容をこどもはより具体的に理解することができるからです。
今日からおとなは池上彰さんを目指していきましょう!