これから9月から12月にかけて中学受験の全国模試が毎週のように行われます。
模試の結果はコンピュータでただちに集計・分析され、偏差値と合格可能性が返って来ます。
そして、いよいよ本格的に志望校を決めて行く時期となります。
さて、ここで志望校選びにあたって注意したい点があります。
それは、志望校は偏差値だけで決めるべきではないということです。
元来、志望校とは本人が「行きたい中学」のことです。
他方、偏差値はその時点での「行ける中学」の情報を示しています。
志望校選びで悩ましいのは、この「行きたい中学」か「行ける中学」かという問題です。
筆者は、まだ9月の段階では、「行きたい中学」を志望校として良いと思っています。
まず、理由のひとつは偏差値という統計情報の限界からです。
偏差値は確かに客観的な統計です。
しかし、それは模試を受けた時点での情報に過ぎません。
これから入試までの4か月あまりの子どもの「がんばり」や「伸びしろ」までは偏差値は教えてくれません。
それから、人間は気持ちの生きものだということも考える必要があります。
「行ける中学」を志望校にしたとき生徒の学習へのモチベーションはどうなるでしょうか?
また、「行きたい中学」を志望校にしたときモチベーションはどうなるでしょうか?
答えは明らかでしょう。
本人のやる気・モチベーションを低下させるような志望校選びはNGです。
人間は夢や希望があるからこそがんばれるのです!
筆者が担当している生徒の中に、現在の偏差値より相当高い中学を「志望校」にしている生徒がいます。
しかし、その高い高い目標のためにその子は今までの3倍努力すると家族に約束したそうです。
このように、生徒の学習モチベーションを跳ね上げるような「志望校」選びなら大いにけっこうです。
偏差値とは模試を受けた時点での情報に過ぎません。
生徒のこれからのがんばり次第で偏差値は大いに変動します。
大切なことは、偏差値に振り回されず、逆に、模試の結果を賢く活用することです。
今何が足らないか、そして、これから何をしなければならないか。
「行きたい中学」に合格するためなら、どんなに苦しいことでも乗り越えられます!
みなさんには大勢の応援団が付いていますよ。筆者もまたその一員です。
ともに汗をかいてがんばって行きましょう!