いま、太さが一様な長さ12cmの板が4枚あります。
これを机の端から積み重ねて伸ばしていくと最大で何cm机の端から突き出るでしょうか?
まず、板が1枚だけならどうでしょうか?
太さが一様な板の重心は板の中央にあります。そこに板のすべての重さがかかっています。
机の角を支点と考えると、支点と板の重心が一致する所で右回りの力と左回りの力がつり合います。
板が落下しないためには、机の角は板のちょうど真ん中にこなければなりません。
よって、板は机の端から最大で6cm突き出ます。
次に、板が2枚ならどうでしょうか?
上下の板の重心はそれぞれ板の中央にあります。
また、上下の板の重さは等しいので、上の図のように、それぞれの重心から下向きの力が1対1の比でかかっています。
机の角を支点と考えると、支点は大きさの等しい2つの下向きの力を二等分する所にきます。つまり、上下の板の重心間の距離は6cmですので、机の角はそのちょうど真ん中にきます。
よって、下の板は机の端から3cm突き出ます。上下2枚の板は合計で机の端から、6+3=9cm突き出ます。
これは、また、次のようにも考えられます。
板の重心と支点が一致する所で左回りの力と右回りの力がつり合いますので、机の角の所に2枚の板の合成した重心があるとき板は落下しないとも言えます。
では、板が3枚の時はどうでしょうか?
太さが一様な板の重心は板の中央にあるので、上2枚の板の合成した重心は、一番上と二番目の板の重心間の真ん中にきます。
一番下の板の重心にかかる下向きの力と上2枚の板の合成した重心にかかる下向きの力の比は1対2です。重心にかかる下向きの力とは板の重さのことで、これは板の枚数に比例します。
一番下の板の重さと上2枚の板の重さの比はは1対2です。
この2つの下向きの力は上の図のようにかかっています。
一番下の板の重心と上2枚の合成した板の重心との距離は6cmです。
机の角を支点と考えると、支点からの距離の比は力の比の逆比になりますから、机の角は6cmを2対1に内分する所になります。
よって、一番下の板は机の端から2cm突き出ます。
結局、3枚の板が机の端から突き出る長さは最大で、6+3+2=11cm となります。
最後に、4枚の板ならどうなるでしょうか?
一番下の板の重心と上3枚の板の合成した重心には、下向きの力がそれぞれ1対3の比でかかっています。
机の角は重心間の距離6cmを3対1で内分する所にきます。
したがって、一番下の板は1.5cm机の端から突き出します。4枚の板の合計では、6+3+2+1.5=12.5cm
机の端から出ることになります。
ここまで来て規則性に気づきましたか?
12cmの板は
1枚なら6cm
2枚なら6+3cm
3枚なら6+3+2cm
4枚なら6+3+2+1.5cm
n枚なら・・・
一般的に、12÷(2×n)をn回合計すれば求める長さが出るのです!