最近、暗くなるのが早いですね。実は、一年で一番日の入りが早いのが冬至の半月ほど前のこの時期です。12月2日現在の東京の日の入り時刻は16時28分です。一方、日の出の時刻は1月はじめごろまで遅くなりつづけ、冬至の日に、日の出と日の入りの時間の差(昼間の長さ)が最短になります。ちなみに今年の冬至は12月22日です。
植物には、日照時間が長くなると開花するものと、日照時間が短くなると開花するものとがあります。前者を長日植物、後者を短日植物といいます。したがって、長日植物は夏至の前に開花し、短日植物は夏至の後に開花します。長日植物にはアブラナ、短日植物にはアサガオがあります。
問題 菊は長日植物ですか。短日植物ですか。
答え 短日植物
愛知県の渥美半島といえば電照菊で有名ですが、電照菊は菊が短日植物であるという性質を利用しています。菊は短日植物ですから日照時間が短くなると開花しますが、電照菊は菊のこの性質を利用して開花を遅らせる一種の抑制栽培です。
問題 農家が抑制栽培や促成栽培を行なう理由はなんですか。
答え 季節をずらして農作物を出荷することで高く売ることができるから。
抑制栽培は電照菊の他に高原野菜の高冷地農業(群馬県の嬬恋村のキャベツや長野県の野辺山原のレタス)が有名。また促成栽培は高知県のなすや宮崎県のピーマンが有名。
植物は厳しい冬を耐えて春にきれいな花を咲かせます。みなさんも来春の明るい中学生活を夢見てこの長い夜の季節を乗り越えて下さい。