7月8日14時29分現在の為替レートは1ドル88円32銭。
為替レートとは、ある国の通貨と別の国の通貨との交換比率のことです。ここでは、日本とアメリカの通貨、つまり、円とドルの交換比率としてお話します。
先生: 1ドル200円が1ドル100円になることは、円安でしょうか、それとも円高でしょうか?
A君: 円安です。なぜなら、200円が100円に安くなっているからです。
先生: 円高、円安というのは、円の価値(値打ち)が上がったか、下がったかをいうんだよ。1ドル200円が1ドル100円になるということは、いままで1ドルと交換するのに200円も必要だったのが、1ドルと100円ぽっきりで交換できるということなんだ。円の値打ちは上がっているよね。だから、この場合円高。反対に、ドルの価値は1ドル200円から1ドル100円に安くなっている。だから、ドル安。(注)
つまり、円高のときにはドル安が同時に起こっている。
では、問題。
次の(あ)~(え)の中から、正しいものを1つ選びなさい。
(あ) ドルの価値が上がると、海外旅行の費用が安くなる。
(い) ドルの価値が下がると、輸入品が高くなる。
(う) 円の価値が上がると、輸入品が安くなる。
(え) 円の価値が下がると、海外旅行の費用が安くなる。
まず、円高(ドル安)のときに有利なのは輸出、輸入のどっちでしょう?
1ドル200円のとき、1ドルの製品を輸出すれば、200円手に入れることができました。ところが、1ドル100円になると、1ドルの製品を輸出しても100円しか手に入らなくなります。したがって、円高は輸出には不利。
反対に、円高は輸入に有利です。1ドルの製品を輸入するのに、以前は200円必要だったのに、円高になれば、100円で安く輸入できます。円高で外国から安く仕入れることができる輸入品は値下げされることがあります。
では、海外旅行に行くには、円高と円安のどちらのときが有利でしょう?
海外では円は使えませんのでドルと交換する必要があります。1ドルと交換するとき、以前なら200円必要でした。ところが円高になり100円で1ドルと交換できます。つまり、海外旅行は円高のときが有利です。
よって、正解は(う)です。
この夏休みは受験勉強でみなさんは海外旅行どころではありませんから、来年の春休みか夏休みに合格旅行で海外に行く人には、そのころに円高になっていればいいですね。
(注)日本では1ドル何円というように為替レートを表示する慣行がありますが、実は、これはドルの円に対する相対価値を示しているものです。たとえば、1ドル200円が1ドル100円になることは、ドルの「値段」が下がっていますから「ドル安」です。 したがって、円のドルに対する相対価値を素直に表現したければ、1円何ドルというように為替レートを表記する必要があります。
たとえば、1ドル=200円→1ドル=100円(ドル安)
1円=1÷200=0.005ドル→1円=1÷100=0.01ドル(円高)