時事問題と聞けば社会を連想しますが、理科にもどっこい時事問題があるんです。
今回は今年ねらわれそうな理科の時事問題についてです。
まず、出題されやすいのは天体。
小惑星探査機「はやぶさ」は2003年5月に種子島宇宙センターから打ち上げられ、小惑星イトカワの表面を観測し、そのサンプルを採集して7年ぶりに今年6月に地球に帰ってきました。かずかずのトラブルを乗り越えての60億㎞のミッションはひとびとに感動をあたえ話題になりました。
他方、今年5月に打ち上げられた金星探査機の名前は「あかつき」です。これは、前回の首都圏模試(統一合判)にも出題されました。「はやぶさ」と混同しないようにしてください。前者は金星探査機、後者は小惑星探査機です。
また、「あかつき」といっしょにHⅡAロケットによって打ち上げられたものに「イカロス」があります。イカロスは、巨大でしかも超薄い帆に太陽光を受けて進みます(ソーラーセイル)。まるで帆に風を受けて進むヨットのようですから、イカロスは「宇宙ヨット」と呼ばれています。まさにエンジンも燃料もいらない夢の宇宙船なのです。もう少し厳密に言えば、イカロスの巨大なセイル(帆)の一部には、薄い膜の太陽電池が貼り付けられ、太陽光を受けて発電することができます。この電力を使って進むこと(電力セイル)もできます。つまり、イカロスは「ソーラーセイル」と「電力セイル」の両方可能なハイブリッドなヨットなのです。そのイカロス君、ただいま金星に向けてセイリング中であります。
ところで、今年の夏は記録的な暑さでしたね。これも時事問題のネタになります。一日の最高気温が35度を超える日を「猛暑日」。30度を超える日を「真夏日」。25度を超える日を「夏日」といいます。また、夜間の最低気温が25度以上のことを「熱帯夜」と呼んでいます。それぞれの用語の違いに注意しましょう。
南米ペルー沖の海水温が上昇することを「エルニーニョ」現象、海水温が低下することを「ラニーニャ」現象といいます。「エルニーニョ」が発生すると梅雨入り梅雨明けが遅くなり、冷夏暖冬となります。反対に、「ラニーニャ」が発生すると、梅雨入り梅雨明けが早くなり、夏は暑く冬は寒くなるといわれています。
ちなみに「エルニーニョ」、「ラニーニャ」はスペイン語でそれぞれ「男の子」、「女の子」という意味です。夏の猛暑から予想すると、どうやら今年の冬にも、それから理科の時事問題にも「女の子」が大暴れしそうかな!?