いまあなたはテストを受けています。そのテストの制限時間は50分です。
時計を見たら残り25分でした。
そのときあなたはもう25分しかないと思いますか?
それともまだ25分もあると思いますか?
「もう25分しかない」と感じてしまうひとは悲観主義者。
他方、「まだ25分もある」と感じるひとは楽観主義者。
では、前者と後者ではどちらがいいのでしょうか?
テストのようなある種の極限状態で結果を出さなければならないようなときには、一般的に、楽観主義者のほうがいいように思います。それは、リラックスした状態で、伸び伸びとやれて普段の力が出せるからです。反対に、悲観主義者は極度に緊張してしまい、いわゆる「上がってしまって」、本来の実力が出ないということになりかねません。
受験まで残り80日あまり。
あなたはもう80日しかないと思いますか?
それともまだ80日もあると思いますか?
大部分の保護者のかたは、「もう80日しかない」と感じる悲観主義者なのではないでしょうか。ところが、筆者のまわりにはいまだにのんびりとした「楽天主義」と表現せざるをえない生徒が少なからずいます。これは、かなりショッキングなパーセプション・ギャップです。
これは、実は、おとなとこどもの時間に対する認識の相違によるもののようです。われわれおとなは、(悲しいことですが、)毎年毎年一年が短くなっていくように感じます。。。(自分の10代、20代の頃と現在の時間の速さを比べてみてください!)他方、こどもたちにとって、一年一年は永遠のような長ーいものなのです。
筆者は、こどもたちの楽観主義を悪いことだとは思いません。それは生物学的(大脳生理学的)に生来そういう時間の感覚なのですし、また、先ほど言ったように、極限状態では悲観主義より楽観主義のほうがいい結果を生じやすいからです。筆者は、おとなと違う時間感覚を持つこどもたちにむしろ大いなる大逆転の可能性すら感じます。特に、理科や社会のような知識のウェートが大きい科目では残り80日もあれば大逆転の可能性は大いにあります。
理科、社会に関しては「もう80日しかない」ではなく「まだ80日もある」なのです!!
ただし、80日しかないこともまぎれもない事実ですので、適度な危機意識も必要でしょう。
こどもの感覚とおとなの感覚のいいとこ取り―。
悲観主義的な楽観主義者(pessimistic optimist)
これが筆者のモットーであります。