最近気になるニュースのことばを集めてみました。
それぞれのことばの違いに気をつけよう!
1 G8とG20 の違いは何ですか?
以前、先進国首脳会議と呼ばれていたG7(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、EU)にロシアを加えたものがG8。ロシアはまだ一人当たりGDPの水準から「先進国」とは認められないので「主要国」首脳会議と名称が変わりました。これはまた「サミット」とも呼ばれています。
このG8に経済成長の著しい中国、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカ共和国、韓国、アルゼンチン、サウジアラビア、トルコ、オーストラリア、メキシコをあわせたものがG20。これはまた「金融サミット」とも呼ばれています。今年は6月にカナダのトロント(G8サミットも開催)、そして、今月11~12日に韓国のソウルで開かれました。
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)等の新興工業諸国の台頭にともなうG7の相対的な地盤沈下、また、アジア金融危機やリーマンショックなどの国際マクロ経済の諸問題(為替の急激な変動、貿易収支の不均衡など)に対処するため近年G20が注目されてきています。
2 FTAとEPAの違いは何ですか?
FTAとは、Free Trade Agreementの略称で「自由貿易協定」と訳されています。他方、EPAとはEconomic Partnership Agreementの略称で、「経済連携協定」と訳されています。両者とも経済統合を目指す経済条約に代わりはないのですが、経済統合の度合いが異なります。FTAは関税の撤廃を中心とする貿易の自由化を目的にするのに対して、EPAはFTAプラス知的財産権の保護や投資の自由化などもっと広義の経済提携を目的としています。
FTA、EPAは二国間で締結されることが普通ですが、多数国間で(広域的に)締結されることもあります。日本はシンガポールと2002年にFTAを結びましたし、また、ASEAN諸国とはEPAを順次締結しています。FTA、EPAはWTOを補完するものなのか、それとも経済ブロック化を招くものなのかは意見が分かれるところです。
3 APECとTPPの違いは何ですか?
APECとは、Asia-Pacific Economic Cooperationの略称で、日本語では「アジア太平洋経済協力(会議)」と訳されています。これは、環太平洋地域の国々の経済協力を図ろうという会議です。一方、TPPとは、Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementの略称で、「環太平洋経済協定」とか「環太平洋戦略的経済提携協定」とか訳されています。これは、広域的なEPA(経済連携協定)の一種だと考えられます。
つまり、平たく言えば、APECという国際会議でTPPという広域的な(多数国間の)EPAの締結に向けた話し合いを行おうとしているわけです。今年度のAPECは今月13日~14日に横浜で開催されます。
4 COP10とCOP16の違いは何ですか?
COP10やCOP16のCOPとは、Conference of the Partiesの略で、ある国際条約を結んだ国が集まってする会議のことで、「締約国会議」と訳されています。COPの後ろの数字は第何回目の会議かを示しています。
COP10は、生物多様性条約に関する第10回締約国会議。今年10月に名古屋で開かれ、生物遺伝資源の利用や配分に関するルールである「名古屋議定書」が採択されました。
また、COP16は、気候変動枠組条約第16回締約国会議。今年12月メキシコのカンクンで開催予定です。こちらは、温室効果ガスを減らそうという会議です。(COP15は昨年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれました。)
今回は、英語の略称が多かったので小学生のみんなには大変かもしれないけど、がんばって覚えてください!