いよいよ師走。師も走るほど忙しい月となりました。
ちなみにここでいう師とは塾講師のことではなく師匠の僧のことです。
さて、先日、NHK大河ドラマ「竜馬伝」が最終回を迎えました。
慶応三年(1867)11月15日、坂本竜馬は京都河原町近江屋で暗殺されました。もっとも、これは旧暦。現在の暦では12月10日となります。つまり、竜馬はいまの12月初冬の京都で何者かによって暗殺されたわけです。犯人探しはこの百年あまり断続的に行われ、中には荒唐無稽な説までありますが、今日では京都見廻り組というのが通説になっています。
ここで筆者が気になるのは百年以上も前の真犯人探しではなく、なぜ竜馬がいとも簡単に殺されてしまったかというlことです。これは「リスク管理の問題」です。
竜馬はなぜもっと安全な場所に行かなかったのか?近江屋の真向かいには土佐藩邸があったのに。。。
また、なぜ一か所に滞在していたのか?いくつものアジトを移動したほうが敵の目をくらますこともできもっと安全ではなかったのか?などなど、いろいろ疑問がわいてきます。
もし、タイムマシンがあれば、慶応三年11月15日の京都に行って、危ないから今すぐそこから逃げろ!と竜馬に教えてあげたいと、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の暗殺の場面を読むたびに何度思ったことか。。。坂本竜馬という「余人をもって代えがたい」人材をその日失ったことは明治日本にとってどれほどの損失だったことでしょうか。
竜馬暗殺を単なる英雄の不運な悲劇で片付けずに、「リスク管理の失敗」の事例として取り上げるべきだと筆者は思います。昔も今も危機管理に甘い日本人への貴重な教訓として。
ところで、リスク管理には有名な格言があります。
卵はひとつのかごに盛ってはいけない
卵をすべてひとつのかごに入れると落とした時すべて割れてしまいます。
そこでリスクを分散することの大切さをいっているのです。
実は、中学受験でもリスク分散の考えは大切です。
「適正校」、「押さえ」、「チャレンジ校」と分けて偏差値の違う中学を受験するのはなぜでしょうか?
それは、すべて同じような偏差値の中学を受験するより、リスクを分散していて安全だからです。
最近、通勤の電車の中などで咳をするひとをしばしば見かけます。
これから本格的に到来するインフルエンザ対策などの体調管理も中学受験のリスク管理のひとつです。
受験直前期のさまざまな「リスク」に十分お気をつけください。