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投稿日:2009年08月19日

テーマ: 国語 / 日記 / 理科 / 社会

雨のち晴れ。

 夏期講習も残り10日あまりとなりましたが、学習は順調に進んでいますか?

 夏期講習にはレギュラーの生徒のほかに遠方の他県から通塾している生徒がいます。なかには夏休みの間だけ東京に下宿して通塾している生徒もいます。私の理科、社会の個別指導の生徒の中にもそういった気合いの入った地方からの生徒がいます。これからお話しする彼女もそのひとりです。

 それは、彼女の理科の夏期講習の最初の日のことでした。水溶液の単元でした。その日は1対2の個別指導で、もう一人の生徒は水溶液が得意で問題をすらすら解いていきました。片方の生徒の軽快なえんぴつの音が彼女の心理に微妙な化学変化を引き起こしたのでしょうか、彼女は目をまっ赤にして泣いているのがわかりました。私はあえて気付かないふりをしてたんたんと水溶液の説明を続けました。彼女は泣いていましたが、しかし、しっかりと私の説明をノートに取っていました。

 私は、授業中に悔し涙を流す生徒には根性があると思っています。それは自分の経験からです。私は幼い頃よく祖父と将棋をさしました。将棋に負けるたびにあの生徒のようにくやしくて泣きました。そして、自分が勝つまで「もう一番、もう一番」と祖父に将棋を打ってもらいました。そうやってだんだん将棋が強くなっていった思い出があります。

 彼女はあの日以来、くやしさをばねにがんばり自分の苦手な単元をみごとに克服していきました。先日彼女の最後の個別指導がありました。単元はてこと滑車・輪軸でしたが、自分が担任している生徒の中でもっともよくできていました。

 その日の彼女の顔にはさわやかな笑顔がありました。

 

 テストの点数が悪くてもへらへらしていたり、授業中に集中せずきょろきょろしていたりする生徒にくらべ、問題が解けなくて悔し涙を流す生徒には希望の光があります。「悔し涙」が出るのはそのひとが一生懸命がんばっているのに結果が出ないからです。今はまだ結果が出ないけれど、あきらめずに努力を続けていけば「悔し涙」が「うれし涙」に変わる日が必ずやってきます。

 私は「悔し涙」を流す生徒にYELLを送ります。