10月から三鷹市で家庭ゴミの有料化が始まりました。ゴミを出すときには市指定のゴミ袋を購入しなければならなくなりました。(40リットルのゴミ袋で75円します!)こうしたごみ有料化の流れが全国の市町村で広がっています。ゴミの有料化の目的はゴミの量の削減(リデュース)にあります。ひとはだれしも自分の利益を最大化(あるいは費用を最小化)しようとする本性があります。このような本性に働きかけることをインセンティブといいます。ゴミ有料化はひとびとのインセンティブを利用してゴミの量の削減をはかろうとするものです。
このインセンティブを地球温暖化問題に応用したものに排出量取引制度(キャップアンドトレード)があります。排出量取引制度(キャップアンドトレード)とは、各国や各企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を定め、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引(トレード)する制度です。もし国や企業が排出枠を下回れば下回った分を排出枠を上回ってしまった国や企業に売って「利益」を出すことができます。反対に、上回った国や企業は下回った国や企業から排出枠を超えた分だけ買い取らなければならず「費用」が発生します。国や企業は「利益」を増やし「費用」を減らそうとしますから、結果的に温室効果ガスは削減されます。
インセンティブは環境問題のほか経済・社会のさまざまな分野で用いられています。たとえば、プロ野球の契約や企業の「成果主義」の人事・給与などがあります。
お子様が勉強しないとお悩みのご家庭が多いと思いますが、そういったご家庭にはぜひこのインセンティブという方法を考えてみてください。ひとはガミガミ命令されたり、怒られる(ムチ)よりも自分の利益(アメ)があれば自然に行動するものです。ムチだけではひとはなかなか動きません。アメとムチを上手に組み合わせてみてはどうでしょうか。