こんにちは、受験ドクター国語科・社会科担当のS.I.です。
今回は、「地図帳を使いこなそう~白地図併用編~」と題して、入試で役立つ地図帳活用法をお届けします。
目指すゴールは、地形と産業を結びつけることです。
ぜひ、お手元に地図帳をご用意の上お読みください。
① 地形の特色を押さえる
② 作物の生産に適した地形を押さえる
③ 地形と産業を結びつける
の3段階に分けて考えていきます。
① 地形の特色を押さえる
中学受験生向けの地図帳(お通いの塾のもの・または「受験対応」とある地図帳)にある、「日本の地形」のページを開きます。
・人口の多い都市は、どれも平野部に位置している
・河川は、山地・山脈の間を縫うように流れている
これらの特徴が、一目で直感的に理解できますね。
② 作物の生産に適した地形を押さえる
稲作・畑作・果樹栽培に適した地形を見てみましょう。
稲作 | 水に恵まれた平野部。 |
畑作 | 作物によるが、平地の方が耕地面積を広く取ることができる。 |
果樹栽培 | 作物によるが、日当たりの良さは必須。水はけのよい地形が適している。 ⇒扇状地(河川が山から平野に流れ出るところ)で果樹栽培がさかん。 |
③ 地形と産業を結びつける
ここで白地図を活用します。
使用するのは、
・「日本の農業」のページ
・各地方の地図
の2つです。
地方別の白地図をA4~B4程度の大きさにプリントし、各地方の地形を大まかに書き込みます。
次に、各地方別の地図、「日本の農業のページ」を開き、地形と重ね合わせます。
このときに、各地方のまとめページにも目を通すと理解が深まります。
主要な作物の生産量ランキングを余白に書き込んでおくと、振り返りの際に活用できますね。
山形県の農業を例として見てみます。
果樹栽培(おうとうが有名)⇒山形盆地
と、テキストでは学習します。
地図帳を使うことで、
果樹栽培(おうとうが有名)⇒山形盆地(扇状地)
最上川の流域に沿って農地が広がっていることがわかる
というように理解が深まります。
完成した地図は、ノートに貼るなどしていつでも見返せるようにしておきましょう。
では、実際に入試問題に取り組んでみましょう。
ア 大阪府 イ 東京都 ウ 長野県 エ 和歌山県
解説は記事の最後に掲載しますので、地図帳を参考にお取り組みください。
4・5年生は現在塾で学んでいる学習の発展として、6年生は地理分野の振り返りとして、きっと役立つはずです。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
解答・解説
先程まで見てきた特徴を考えると、
総面積に占める森林の割合から見て、A・Dが和歌山県/長野県、B・Cが東京都/大阪府であると考えられます。
農業のページを見るに、東京都は田の面積が非常に小さいこと(47都道府県中47位です)、和歌山県は耕地のほとんどが果樹園、そのほか一部が田であること(うめ・かき・みかん・はっさくと複数の果物の生産量が全国一位ですね)ら、Aが和歌山県、Bが東京都、Cが大阪府、Dが長野県であることがわかります。