『地図帳を眺めるだけで…』シリーズ第二弾!ということで、上越新幹線で東京から新潟までバーチャル旅行をしてみましょう。
地図帳の準備はよろしいでしょうか?
東京から大宮までは、前回の東北新幹線編と同じですからそちらに譲るとして、大宮駅の次は「熊谷駅」です。
夏になると、この地名を聞かない日はないくらいに有名ですね。
そう、最高気温記録として有名です。西の多治見、東の熊谷といったところでしょうか。
かつては、山形県山形市が最高気温を記録していました。
なんと!1933年、昭和8年の記録です。
さて、なぜ東北地方の都市が、長いこと日本最高気温記録都市として君臨していたのでしょう。
これは、「フェーン現象」によるものです。大気は、山を越えて地上に到達する時、蓄えていた熱を放出する性質を有します。
これが気温上昇をもたらすのです。ちょっと途中下車、ミニ知識でした。
さらに熊谷では、2019ワールドカップが開催されました。なんのワールドカップでしょう。
そうです、「ラグビー」です。熊谷には、日本でも有数の熊谷ラグビー場があります。
つぎは「本庄早稲田駅」です。
その次は、「高崎駅」です。高崎といえばダルマが有名です。また、県庁所在地の前橋市よりも人口が多いのは知っていましたか?
つぎは「上毛高原駅」です。ここは、群馬県のみなかみ町に近い駅です。みなかみ町といえば水上温泉。与謝野晶子や太宰治が訪れた温泉地として有名です。
つぎは「越後湯沢駅」です。たくさんのスキー場と温泉が有名です。なお、上毛高原駅から越後湯沢駅のあいだに、「大清水トンネル」があります。全長22.3Km。長いです。
完成当時は世界最長のトンネルでした(その後、青函トンネルが開通=53.85Km。さらにその後、スイスでゴッタルド・ベース・トンネルが開通=57Km)。
この次は、「ガーラ湯沢駅」と「浦佐駅」にわかれます。まずガーラ湯沢駅は、スキーシーズンだけ開業している臨時駅で、JR東日本が社有地に作ったスキー場に直結している駅です。
浦佐駅は、意外に思われるかもしれませんが、奥只見湖や尾瀬への新潟側からの入り口駅です。
浦佐駅側のつぎの駅は、「長岡駅」です。長岡市は、入試でもよくグラフが使われます。
何のグラフかというと…雨温図です。
下の雨温図でもわかるように、冬の降水量=雪が夏の降水量の3倍近くに達するほど、豪雪地帯であることがわかります。
つぎは、「燕三条」駅です。燕市と三条市にまたがるような形での駅です。
燕市は、金属食器(=フォークやナイフ)で有名です。ここで作られている銀食器は、あのノーベル賞授賞式の晩餐会でも使われています。
三条市は、包丁をはじめとする刃物製造で有名です。さて、なぜこの2市で金属食器や刃物生産が盛んなのでしょうか。
それは、この地域はさきの長岡市の説明でも明らかなように、豪雪地帯で冬の間は農業をはじめとして働くことが困難な地域です。
言い換えれば、夏の間だけの米の単作地帯ともいえます。
そこで、冬季の副業として、元々は農具の製作がおこなわれていました。
しかし最近、農具の機械化により鍬やすき、かまといった農具の生産も下火になりました。
そこで、長年培われた技術を使って、金属製品の生産がさかんになったのです。
終点は、「新潟駅」です。いまは、政令指定都市となっています。
また、日米修好通商条約で開港された港町でもあります。
また、信濃川の河口も有しますが、洪水による氾濫を何度も経験していることから、大河津分水路という、川のように幅の広い分水路を擁します。
もうひとつ阿賀野川の河口も有しています。
また、新潟沖に存在する佐渡島は、天然記念物のトキと金山が有名です。
さらに、油田とガス田が存在しており、秋田と並んで日本で数少ない原油と天然ガスを産出する県です。
さて、いかがでしたでしょうか。
新幹線ですと、東京から新潟まで2時間ほどで到着します。
本当でしたら、ちょっとした旅にとお勧めしたいところですが、コロナ禍のいまは地図帳での旅にとどめておきましょう。
いずれ、訪れることができるようになったら、ぜひ出かけてみてください。
さて、つぎはどの旅にしようかな…。