こんにちは。受験ドクター算数科の稲葉大介です。
算数上達の秘訣は算数を楽しむこと!
というわけで、パズル感覚で楽しめる算数の問題を、今年の入試問題から選んでみました!
算数が得意というお子さまはもちろんのこと、算数が苦手というお子さまにも楽しんでもらえると思います。
また、学年を問わず考えることができる問題となっています。親御さまは、ぜひお子さまと一緒にチャレンジしてみてください。
<2018年 筑波大学附属中学校>
【7】下の図は、平行四辺形の紙から大きさの異なる平行四辺形の紙を切り取ったものです。
この紙を1本の直線で二等分するためには、どのように切ればよいですか。
切り目を解答用紙にかきなさい。 なお、切り目をかく際に用いた線は消さないでおくこと。
制限時間は3分間です。
よーい、はじめ!!
解答・解説
まずは、基本となる考え方を≪ポイント≫にまとめました。
≪ポイント≫
~平行四辺形の面積を二等分する直線のかき方~
<手順①>…対角線をかく
<手順②>…対角線の交点を通る直線をかく
それぞれの対角線が平行四辺形の面積を二等分することはもちろんのこと、対角線の交点を通るすべての直線が、面積を二等分します。交点を通る直線によって、2つに分けられた部分の形と大きさが同じになりますね。ここでは「すべての直線」と表現しましたが、無限にかくことができます。
やり過ぎでしょうか?
この性質を利用して、問題を解いていきます。
入試本番では答えを1つかければ正解となりますが、解法は3つありますのでそれぞれみていきましょう。
≪解法①≫
図は大きい平行四辺形から小さい平行四辺形を切り取った形になります。
これを左右2つの平行四辺形に分けます。
次に、左右2つの平行四辺形それぞれの対角線をかきます。
最後に、2つの交点を通る直線をかきます。
<解説>
左側の平行四辺形は、対角線の交点を通る直線で分けられているので、面積はA=Bとなります。
同様に、右側の平行四辺形では、C=Dとなります。
したがって、A+C=B+Dとなるので、赤線によって面積が二等分されていることがわかります。
≪解法②≫
≪解法①≫と同様に、上下2つの平行四辺形に分けて解くことができます。
<解答>
≪解法③≫
もとの大きい平行四辺形の対角線と、切り取った小さい平行四辺形の対角線をかきます。
最後に、2つの交点を通る直線をかきます。
<解答>
<解説>
大きい平行四辺形は、対角線の交点を通る直線で分けられているので、面積はA+C=B+Dとなります。
小さい平行四辺形も、対角線の交点を通る直線で分けられているので、面積はC=Dとなります。
したがって、(A+C)-C=(B+D)-D=A=Bとなるので、赤線によって、面積が二等分されていることがわかります。
いかがでしたか?
図の面積を2等分する線を作図するという問題でしたが、解法が3つもありました。
人生いろいろ・・・
解法もいろいろ・・・
パズル感覚で楽しむことはできましたか?
こんな風に入試も楽しみましょう!
次回もお楽しみに♪