A,B,C,D,E,Fの6人を、3人ずつの2グループに分けます。分け方は何通りですか。ただし……
問題1:2つのグループには「桜組」と「椿組」という名前が付いています。
問題2:2つのグループには特に名前はついていません
こんにちは。受験ドクターのI.Sです。
突然ですが問題を二問出してみました。
上の二問の答えは、同じになるでしょうか。それとも別の答えになるでしょうか?
正解は、別の答えになる、です。
①の答えは20通りで、②の答えは10通りです。
「ええ?同じ問題じゃないの?」
という疑問を解消すべく、今回はこの問題について解説していきます。
まずは①から行きましょう。
6人の中から、まずは桜組に誰を入れるかが何通りあるのかを計算します。
これはか6人から3人を選ぶ組み合わせですので
となり、20通りが答えです。
(6C3 のようにコンビネーションを使って考えてもOKです)
ここまでは場合の数がある程度分かっている子ならば「当然でしょ~」という顔をしているはずです。
では②に移りましょう。
さて、①と②で何が異なっているかというと、グループに名前が付いているかいないかです。
言い換えると、2つのグループが区別できるかどうかが異なっています。
具体例を出してみましょう。
問題①で、例えば 「桜組:A,B,C 椿組:D,E,F」の場合と「桜組:D,E,F 椿組:A,B,C」は別のものとして数えます。
しかし問題②で「A,B,CとD,E,F」のグループに分けた場合と「D,E,FとA,B,C」のグループに分けた場合に、違いはあるでしょうか? グループ名がついていない場合、この2通りは同じものになってしまいます。
そのため、ダブりを消すためには、①で求めた20通りからさらに÷2する必要があります。つまり
より答えは10通りになります。
場合の数の問題では、区別できるかできないか。という点がとても重要になってきます。
問題文で「3つの箱があり、赤・青・緑に色分けされています」のような文章が良くあります。これはつまり「この3つの箱は区別できるものとして計算しますよ」という合図なのです。箱の区別がつく場合とつかない場合では答えが変わってきます。
人を部屋に振り分けるような場合では、部屋に名前が付けることで「区別するものだ」ということを受験生に伝えようとしています。
他に見たことがある表現では「2つの部屋があり、片方の部屋は角部屋です」であったり「片方の部屋は和室で、もう片方の部屋は洋室です」のようなものも見たことがあります。
この点を意識していない生徒にとっては「なんだか無意味なことが書かれているなぁ。角部屋かどうかなんて算数に関係あるの?」と思ってしまうかもしれません。
でもこのブログを読んでくれた方ならば「これはつまり区別するってことなんだな」と気づけます。
知っているだけでちょっと得する情報。ぜひお子様にも教えてあげてください。
受験ドクター算数科の石井伸二でした。