怪談の季節はとうに過ぎましたが、本日は背筋も凍る怖ろしいお話を…
そう、あれは算数の授業中。
何事もなく授業を開始してから少し経った時、私はそれに気がついてしまったのです。
「あれ…?」
私の違和感を余所に、隣で一心に鉛筆を動かす生徒。
「いや…やっぱりおかしいな…」
何度見直してもやっぱりおかしい…
足りないのです、提出してもらった宿題のプリントが。
いやいや、そんな筈はありません。
以前は宿題不提出の常習犯だったこの生徒も、成績とあまりにもかけ離れていた第1志望の中学に何とか合格するため、ここの所は真面目に勉強に取り組んでくれていたハズ。
いや、まさか…有り得ない事が今私の目の前で起こっているというのか?
嘘だ、信じないぞ、そんな超常現象!
そうだ、きっと鞄から出すのを忘れただけだ!
それなら今出して貰えばいいだけのこと!
「…あのさ…ニュートン算の復習プリントが無いよ?」
「あ…」(しまったという顔で目を逸らす生徒)
忘れたのかっ!やっぱり忘れたのかっ!
「捨てちゃった」
ゴッ…何だとォ?!
ま…まあいい…落ち着け私、またコピーしてやってもらうだけの話さ…
「解説の書いてあった方を…」
え…え?
ええぇぇぇえっ( ゚д゚)
捨てたの?あなた捨てたの?
先生があなたのために手書きで図や考え方を書いたあっちの方を捨てたのォ?!
それいじめ?!それともいやがらせ?!
しくしくしくしくしくしくしくしく…
いつも海田先生の面白過ぎる生徒達の話を聞いて「ホント大変だなぁ…」とまるで他人事のように笑っていた私ですが、ええ…我が生徒にもいました。
とはいえ、6月や7月の頃に比べると格段に成績を上げてきてくれていることが救いです…
夏休み頑張ったもんね…でも捨てないで欲しいぞ、先生の手書き解説プリント。