4月ももう半ばだというのに、未だ寒い日が繰り返しやって来る今年の春。
生徒の中にも、あまりの寒暖の差の大きさに、つい体調を崩してしまう子が出てきています。
去年の秋ごろ、「今年は暖冬」って気象情報で言っていた気がするのに一体なぜこんなことになっているのでしょうか…?
そもそも昨年の夏は気温もあまり上がらず、少々物足りない夏となりました。
これは「エルニーニョ現象」と言われる現象の影響です。
東太平洋の赤道付近で海水の温度が上昇したために、大気の温度が変わり、結果、気圧のバランスが変化して風の流れが変わるという現象で、世界各地に異常気象を引き起こします。
これだけなら日本は冷夏&暖冬という気象になるはずなのですが、今年はこれに、「北極振動」と「偏西風の蛇行」という条件が重なったそうです。
「北極振動」とは、北極圏の気圧が変動して、寒気の蓄積と放出を繰り返すことです。今年は高気圧で、寒気を放出し続けています。
一方、「偏西風の蛇行」は、普段円状をしている偏西風のルートが、何らかの原因でグネグネと曲がることです。
通常であれば、北極から寒気が放出されても、偏西風がそれを遮断してくれます。ところが今年の偏西風は蛇行ルートを辿っており、日本にも寒気が流れ込んで来たという訳です。
これらの所為で、アメリカのワシントンでは大雪で政府の機能が一時ストップする事態になったり、インドやバングラディッシュのような暑い気候のイメージがある地域で凍死者が出る事態が発生したりしています。
冬期五輪を開催したカナダのバンクーバーが雪不足に見舞われたのも「エルニーニョ現象」の所為。
異常気象は決して喜べるものではありませんが、こういう事があると、遠い国の天気も日本の天気と繋がっていることが良く分かりますね。