先日、算数の授業中の話です。
その生徒は頭の回転も速く、かなりの上位校を狙っている優秀な子なのですが…
(あれ…なんで片方の“片”をひらがなで書いてるんだ…?)
私「おーい、ちゃんと漢字で書きなよ」
生徒「うーん…」
私「ダメだよー、算数のノートでもそういう所いつもちゃんと漢字で書く子と書かない子じゃ偏差値で差ついちゃうんだからね」
生徒「うん…ちょっと分かんなくなっちゃった…」
私「?!…え…“片”の字が…?」
生徒「(バツが悪そうに)…うん」
私「(バカな!!)」
繰り返しますが、その生徒は“優秀な”生徒なのです。
なのに何故?!
実はこの生徒、優秀であるが故なのか、“書いて覚える”“繰り返し練習する”等の地道な努力を敬遠しがち。
“片”の字も決して知らない訳ではないのですが、反復練習が不足している所為でふと瞬間的に出てこなくなってしまったようです。
この手の漢字や暗記モノは、いちいち考えて正解を出す類のものではありません。
また、見た瞬間に同時に手が動いている位のスピード感がないとトップ校の受験で周囲と対等に戦うのは中々難しいでしょう。
言わばこれは、『体で覚える』もの。
何度も書いて練習するのは、野球選手が素振りを繰り返して打撃フォームを体に覚えさせるのと同じようなものです。
さて、例の生徒はその後も“疑う”を度忘れしたり、明らかに“素振り”をサボタージュしていた付けが回っている様子でした。
社会の暗記も不得意だというこの生徒。
流石にここらで心を入れ替えて貰わないことには、いくらなんでも間に合いません。
というわけで、「『やればできる』って良く言われてるけど、それって『やらないと出来ない』って事だからね?」と軽く脅しをかけて授業を締めくくりました。
伝わっているといいのですが。