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投稿日:2009年07月09日

テーマ: ニュース / 受験情報 / 国語 / 国語通信

国語通信(7月号)

夏休み直前ですが、入塾以来国語の進捗状況はいかがでしょうか?個人的見解ですが、「国語をどうやって取り組むべきか」について理解を示してくれる生徒が増えてきたように思います。
 さて、国語という教科は「読解力」「国語のセンス」「語彙力」で決まると言われています。もちろんそれらが備わっているにこしたことはありませんが、それ以前の問題として「性格」があげられます。ここ数年、国語だけができない生徒が目立って増えてきていますが、授業内で彼らの解く手法を見ていますと、平気で文章を飛ばし読みしたり、問題で聞かれたことに答えていなかったり、字を乱暴に書いたり、とにかく雑で大雑把である点が共通しています。これはおそらく最近の子供たちに顕著に見られる根気の無さと集中力の欠如に因るものと解釈し、何度も個々に注意するのですが、「三つ子の魂百まで」といわれるくらいですからなかなか改まりません。まだまだ受験生としての当事者意識が欠けているということでしょう。この頑固な性格も足を引っ張る要因の一つになっていることに気付きましょう。そこで、一度にすべてを改善するのは無理ですので、せめて教わったこと一つ一つに対し注意を払うことぐらいはしてほしいものです。その積み重ねが学力の定着につながるのです。さて、最後に父兄からのお悩みで特に多い三題についてその解決策を考えてみたいと思います。参考になれば幸いです。

  1. 教わったことが定着しない、すぐ忘れてしまう。
     記憶力の個人差も多少関係あろうかと思いますが、まだせっぱつまっていない、つまり、目の前に入試が近づいているという現実感が欠けているせいかもしれません。入試が近づいてやっと本気になることが多いのですが、そのときは「すでに時遅し」になっています。真剣になる時期は早ければ早い方がいいので、今からできることはコツコツ積み上げてください。もう一つの理由として「忘れても次の授業で先生がまた教えてくれる」という甘えがあるかもしれません。教えることが山ほどありますので講師がいちいち「振り返り授業」している余裕がないのが現状です。「生徒は自らきちんと復習し、定着させてくれる」という前提と信頼の下で講義は成り立っています。忘れないでください。
  2. 字が雑。設問の読み間違いが多い。
     雑な字で書いても大人は汲み取ってくれるという甘えはありませんか?「多少字が汚くても大目にみてもらえる」などということはありません。学校によっては雑な文字に対しバツをつけるところもあります。設問の読み間違えもタイトなテスト時間ゆえの焦りからかもしれませんが、時間配分についてはすでに説明済みですからその時間内で解く努力をしましょう。何も満点をとろうとしなくてもいいのです。その中の七割が取れればいいのです。自分が解いた問題一つ一つに「愛情」と「細心の注意」を、そして、それらをすべて得点化しようという「気迫」を持ってください。そうすれば「雑に解いたために失点してしまった」などいう愚かなミスは減少するでしょう。
  3. 自分からすすんで勉強しない。
     「自らの意志で学習しないと入試には受からない」とわかっていても、ついつい後回しにしてしまうのは前述のようにまだまだ当事者意識が低いことが原因ですが、そもそも生徒自身「どうしても~中学にいきたい」とか「何としてでも成績をあげたい」という情熱がなければ積極的に机に向かうことはありません。このようなケースはご父兄やわれわれのほうが先走りすぎたため、言い換えると「お子様よりも大人のほうが一生懸命」になりすぎたため起こることがあります。「大人が熱くなりすぎて子供に学習を強いてしまい、それに対しお子様が反発し、そしてその態度を親が説教し」という悪循環にはまってしまえばもう「積極的に楽しく学ぶ」どころではなくなってしまいます。そこでこのような状況に陥ってしまったときはいったんリセットすることをお勧めします。まずは原点にかえり「どうして受験が必要なのか」について話してあげてください。そこでお子様が納得し、自分の意志で受験に臨むという確約が取れたなら、ご父兄は「あとは君に任せた。こちらからはもう何も言わない、自分の責任は自らが全うしなさい。ただし、学習意欲が欠けると判断したらその時点で受験は中止。公立中学にすすみ、高校受験にチャレンジしよう」と伝え、今後はただ見守るだけに徹してください。また、中学受験は小学生の唯一の責務ではありませんし、イベントの一部にすぎません。ご父兄は視野を狭くすることなく、「たとえ失敗してもそれが頑張ったうえでのことなら評価に値するよ」とゆとりと安心感を与え、お子様が気持ち良く全力を尽せる環境を作ってあげてください。