受験ドクター国語科のH.Kです。
国語、社会を専門としております。
このたび国語でお悩みの方の
解決の糸口に少しでもなればと思い、
「はじめの国語相談室」を開きました。
国語の学習相談を受ける中で
特に多かったものを取り上げて、
その解決法を考えていきます。
今回は記述問題で空欄があるお子さん。
「とりあえず埋めなさい」と塾の方からアドバイスを受け、
「なんでもいいから書きなさい」と親からアドバイスしても、
なかなか改善してこないですよね。
前回、私のブログでも書きましたように、
何かできないことができるようになるためには、
「練習」と「コツ」が必要になります。
詳細に関しては、前回のブログを読んでいただけたらと思います。
では、今回の問題に対しての
「練習」と「コツ」についてお話していきましょう。
<武器を持たねば!>
難敵である記述問題。
これを倒すためには
強い武器がほしいところですが……
まず記述問題を埋めるために必要な武器は2つです。
①キーワード
②文章の「型」
まずはこれらの武器を持つことが重要です。
それぞれについて説明する前に記述問題の採点方式を
説明していくようにしましょう。
記述問題の採点というのは、
まず、解答をもとに作成したいくつかの「要素」に関連した言葉が
入っているのかどうかが基準になります。
例えば「犬がいなくなってしまった」という「要素」が
解答に求められている場合には、
「犬が見つからない」「犬の居場所が分からない」
などが書いてあれば、その要素の点数が入ることになります。
それぞれの「要素」が書いてあるかどうかを確認した後に、
「論理」的な文章になっているのかを確認していき、
適していない場合には減点になります。
「論理」には、前後の文が正しく接続されていて、
その内容に抜けがないことが求められます。
もちろん話し言葉や誤字などは減点になることがあります。
よって、これらの過程に必要な
「キーワード」や「文章の『型』」を武器に持つことで
点数が取れる記述になるのです。
「何でもいいから埋めろ」というのは、
常に正しいわけではないのです。
落ちているものが何でも武器になるというわけではないので。
さて、武器については教えましたが、
次は使い方の話をしていきましょう。
<繰り返されたらキーワード!>
まず①の「キーワード」の判断。
これは「何度もその言葉が出ているかどうか」
それを基準にするとよいでしょう。
キーワードとは重要な言葉を指します。
そして重要な言葉とは繰り返されるものです。
なぜならそれが重要だからです。
しかし、同じ言葉ばかり繰り返すと
少ししつこく感じるものです。
前文の「重要」のように…笑
そのため、ふつうは「言い換え」をしていきます。
重要ということばだけでなく、
「大事」「大切」「必要」などでしょう。
ポイントとしては、言葉は違いますが
意味は同じようなものになっているということです。
類義語がそれに当たります。
その言葉の文字にとらわれるのではなく、
意味を意識して読み進めていくことが重要です。
「うなだれている」「目が伏しがちになっている」とあれば
悲しんでいることが分かるはずです。
それは「要素」になっていることが多いのです。
まずは、何度も繰り返されている表現、
その中にある意味を表す言葉を記述の中に入れてみましょう。
それだけで点数は少し上がるはずです。
<文章の型に入れるだけ♪>
次は②の文章の「型」について話していきましょう。
まず、記述の内容にはパターンは多くありますが、
記述の書き方というもののパターンには限りがあります。
パターンが少ないほうが対策しやすいと思いますので、
記述の書き方のパターン、「型」を作っていきましょう。
イメージとしてはチョコづくりと同じです。
まず、「キーワード」を沢山いれた材料を、
「文章の『型』」に流し込んでいきます。
そうして「記述」を完成させるのです。
例えば、心情理由説明問題の「型」は
このようになります。
1○○○○(背景)だったので
2○○○○(行動)したときに、
3○○○○(感情)と思ったから。
この○○○○の部分に
必要なものを入れていくだけで、
記述は完成するのです。
なぜ、顔を赤くしたのですか?
という問題が出たとしましょう。
するとこのように埋めていけばよいのです。
1顔にできた傷を気にしていたので、
2そのことに関する悪口を言われて、
3周りが見えなくなるほど怒ったから。
1普段発言をせずあまりほめられないが、
2頑張った作品をほめられたので、
3飛びはねるくらいうれしくなったから。
このように書けば、
もしくはこの型にいれようとして書けば、
自然と正解に近い文章が記述できるようになります。
まずはこの型を覚えてしまって
さらにほかの問題の「型」も覚えれば、
記述問題も以前よりは解きやすくなるでしょう。
<あとは練習あるのみ!>
今日、私が教えたことは、
本番でいきなり使えるものではありません。
使うためにはもちろん「練習」が必要です。
まずはやってみることです。
知っていてもやり始めなければ、
宝の持ちぐされで終わってしまいます。
お悩みの方は
是非一度やってみてください!
少しでもお助けになればと思っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
では、また次回お会いしましょう。