みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
算数の問題には、計算・文章題・図形など様々な形式があります。
その中でも「文章題」は、文章を読んで何が書かれているのかを
自分で考えていく必要があります。
ここで読み間違ってしまうと、せっかく解き方がわかっていても正解
を導き出すことはできません。
では、どのように文章題の文章を読めば良いのでしょうか?
そこには、「注意深く読む」とか「大事なところに線を引く」という、
少し曖昧なものではなく、明確に「こうすべき!」という方法がある
のです。
今回と次回の2回に分けて、文章題の読み方のポイントをお伝え
してまいります。今回は文章中の接続詞に注目します。
<「た」で始まる接続詞に注意>
文章題は文章ですから、文と文をつなぐ接続詞がいろいろ出てき
ます。この接続詞のうち、「た」で始まる「ただし」と「たとえば」がポ
イントです。この2つの接続詞の直後の文章は、とても大事なこと
が書いてあります。
ここを注意深く読み、必要があれば下線を引いておくことが有効
と言えます。もちろん、答えを出して解答らんに書く直前にもこの
部分に目を向けると、さらにミスを減らすことができます。
具体的に問題を見てみましょう。まずは「ただし」です。
(1)時針と分針が重なる時刻を求めなさい。ただし、秒の値のみ
分数を用いて答えること。
【開成中 H22問題より】
この場合、「ただし」には解答するうえでの重要な条件を示すはた
らきがあります。それはまるで出題者が
「この条件を見落とすと〇にしないから気をつけるんだよ」
と言っているようです。
ここまで言われたら気をつけないわけにはいきません。
何回も確認したうえで答えを求めましょう。
次は「たとえば」です。
3けたの整数Nの各位の数を加え、その和が1けたになるまで
その作業を続け、最後の1桁の数を[N]で表すことにします。たとえば、[123]⇒1+2+3=6(作業1回)なので、[123]
=6、[789]⇒7+8+9=24⇒2+4=6(作業2回)なので
[789]=6です。(1)[147]を求めなさい。
【桜蔭中 H22問題】より
この場合、「たとえば」には問題文の内容を理解するうえで大
切なことを念押しするはたらきがあります。それはまるで出題者が
「とりあえずこういうルールになるんだけど、わかった?」
「じゃあ念のため、一つ例を見せるから確認してね。」
と言っているようです。
したがって、最初の問題は「ルールを確認する問題」となっている
ことが多く、ルールが分かっていれば解きやすい問題になります。
このような特徴的な接続詞を少し意識するだけで、文章題の読み
間違いを減らすことが可能になります。
次回も文章題の読解ポイントをご紹介いたします。
<今回のまとめ>
・「ただし」がきたら、その後は解答に必要な条件。必ず守りましょう。
・「たとえば」がきたら、具体的な例が示されている。自分の理解が
合っているか確認しましょう。