みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
文章題の読み方・考え方について、前回のブログでは「接続詞」に
注意する、という内容でお話しさせていただきました。
今回は文章題の読み方第2弾!「設問の読み方・考え方」のポイ
ントについて、とっておきのテクニックをお伝えしたいと思います。
<料理が得意な人ができること?>
ある親子の会話
母「今日の夕飯、何が食べたい?」
子「う~ん…、カレーライスが食べたい!」
母「カレーライスね。そういえば最近作ってなかったわね。うん!そうしましょ」
今日の夕飯のメニューはカレーライスに決まりました。
お母さんはまず何をするでしょうか?
それは、
①カレーライスを作るのに必要な材料を考える
②今、家にどの材料があって、どの材料がないかを考える
という2つになります。
①は、カレーライスを作るのであれば、カレーのルー、お米、お肉、野菜
といったものを思い描く、ということになります。
②は、冷蔵庫を開けてみてどのお肉があるか、どんな野菜があるか、
お米はどれくらいあるか、そもそもカレーのルーが残っているかを確認
し、足りないものがあればスーパーに買いにいく、ということになります。
このように「カレーライスを作る」という問題が与えられたとき、いきなり
野菜と肉を炒めだしてしまうことはしません。
カレーができあがってから、
「さあご飯炊かなきゃ……あれ?お米がない!どうしよう……」
という事態になりかねません。
行動に出る前に、まず何が必要なのかを考えること、これこそが算数
の問題、特に応用問題を解いていくうえで、欠かせないポイントです。
<では、算数の問題に置き換えてみましょう>
具体的に問題を見てみましょう。
多くのお子様が苦手とする「速さの文章題」です。
から21分後に弟は兄より105mおくれていたので、速さをそれまで
の1.25倍にして兄を追いかけました。それから何分かして、駅の手
前120mのところで弟は兄に追いつきました。兄の歩く速さを毎分
85mとして、次の問いに答えなさい。
(問い)家から駅までの道のりは何㎞ですか。
算数が苦手なお子様は、この問題文の長さに既にゲンナリとしてしま
いそうです。
まずは、問題文を正確に理解するため、図に表してみましょう。
問題文が整理できたところで、設問を見ます。
「家から駅までの道のりは何㎞?」
↓
「120mはわかっているから、追いついた場所までの長さがわかればOK」
↓
「道のり、ということは速さ×時間で求められるはず」
↓
「そうすると、兄はずっと同じ速さ(毎分85m)だから、追いつかれる
までの時間がわかればOK」
↓
「ということは…最初105m離れるまでの時間21分はわかっている
ので、その後追いつくまでの時間が分かれば良い」
↓
「そうすると、弟の速さがわかっていないから……、その弟の速さを
求めれば良い」
↓
「弟の速さは……、!最初の21分間で105mおくれていた、という
部分からわかる!」
というように見事に論理的に解答までの道筋を求めることができる
わけです。
あとはこの流れを逆にたどっていくだけです。
105÷21=5・・・兄と弟の速さの差
85-5=80・・・弟のはじめの速さ
80×1.25=100・・・弟の後半の速さ
105÷(100-85)=7・・・弟が追いつくまでの時間
21+7=28・・・兄が追いつかれるまでに歩いた時間
28×85+120=2500m=2.5㎞
よって、正解は2.5㎞となります。
この作業は一見面倒ですが、たくさん散りばめられた情報の中から
どのヒントを使って解いていくのかを選択するうえでは、必要不可欠
です。ぜひ、練習して身につけてください。
次回はテストを受ける際の時間配分と見直しについてのポイントを
ご紹介いたします。
<今回のまとめ>
・聞かれていることを求めるのに必要な要素をまず考える
・その要素がない場合、さらにそれを求めるのに必要な要素を考える
・全ての要素が求められることがわかったら、式を立てて計算する