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投稿日:2016年09月23日

テーマ: その他

偏差値と合格可能性の考え方

みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。

 

夏の学習も終わり、その成果を試すいろいろなテストが行われて

います。何点取れたか?という点数も勿論気になるところですが、

点数と同じくらい気になるのが「偏差値」と「合格可能性」。

毎回の試験結果で偏差値の上がり下がりに一喜一憂することや、

試験の手ごたえはあったものの合格可能性があまり上がっていな

かったことありませんか?

 

今回は皆さまを悩ませる「偏差値」と「合格可能性」の考え方に

について、お伝えしたいと思います。

 

<偏差値は「学力のモノサシ」>

そもそも偏差値とは何でしょう?きちんと説明するためには、高校

のときの数学の授業を思い出して、標準偏差という言葉を思い出

す必要があります。

その話をしていくと大変なので、簡単に言いますと、

「偏差値はテストを受けた人の中で、どれくらいの位置にいるかを

示す値」が偏差値です。

偏差値1

同じように相対的な位置を示す値に「順位」がありますが、順位は

テストを受けた人数や顔ぶれによって変動します。一方、偏差値は

人数や顔ぶれに関わらず、いつも同じ基準で位置を表すことができ

ます。そういう意味で偏差値は的確に自分の学力の位置を把握す

ることができる指標なのです。

 

一般的な成績の分布で、偏差値と上から何%の位置にいるかを

示したのが、次の表です。

 

偏差値

上から何%の位置にいるか

75

約1%

70

約2%

65

約7~8%

60

約15~16%

55

約30%

50

約50%(真ん中)

45

約70%

 

ただし、気をつけてほしいのは「偏差値」=「学力」と単純に結び

つけないことです。

 

テストの成績は、当日のコンディションや問題との相性によって

常に変動します。今回偏差値60が取れたとしても、毎回60取れ

るとは限らないのです。

 

だいたい変動の幅は±3くらいと言われています。偏差値60でした

ら57~63がその人の潜在的な学力と言えます。

 

この変動をできるだけなくして自分の学力を知るには、同じ模試を

何か月か続けて受け、その偏差値の平均値を見ると良いです。

たとえば合不合判定テストの場合、9月のテストだけの成績よりも

9~11月の成績の平均値のほうが、自分の本当の学力を正確に

表しており、こちらで志望校の選定などを使っていくと良いでしょう。

 

 

<合格可能性50%って、どう考えればいいの?>

受験生にとって、模試の成績でもう一つ気になるのが、志望校の

合格可能性です。

ここでのポイントは、合格「可能性」であり、合格か不合格かを決め

るものではないということです。当たり前といえば当たり前です。

 

毎年、模試の合格可能性で80%を取っていても、合格できず涙を

飲んでしまうお子様がいらっしゃいます。そのお子様はなぜ20%の

ほうの結果になってしまったのでしょうか?

 

あえて一つ要因を考えるのであれば、その判定が出た模試で、その

お子様より成績が低かったお子様がその後努力して逆転をしたか

、ではないでしょうか。

 

合格可能性50%のお子様からも、合格可能性30%のお子様から

も合格者はでているはずです。

 

つまり、合格可能性80%は「10人受けたら8人合格が出るくら

いの成績が取れているから、その8人の中に入るように今までと

同じ努力を続けましょう」という意味なのです。

 

合格可能性50%は「10人受けたら5人合格がでるくらいの成績

であるから、その5人の中に入るのは今までよりももう少し努力を

していきましょう」という意味です。

 

模試の成績で合否は決まりません。試験当日に向けてどれだけ

努力を重ねたかで決まります。そのために、模試の成績からしっか

りと分析をし、続けて努力していくことが大切なのです。

偏差値2

次回は算数の難しい問題を解くポイントについて書かせていただ

きます。

 

 

<今回のまとめ>

・偏差値は同じ種類の模試を何回か受けて、その平均値を見ましょう。

・合格可能性はあくまで「可能性」。それを実現させるために油断せず、

 努力を重ねることが大切です。

偏差値20アップ指導法