みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
算数の文章題で、主に和と差を使って考える文章題はいろいろ
あります。その中でも、結構お子様が苦手としているのが「差集め算」
過不足算とも言ったりします。
いろいろ設定を変えることで難しくできるため、難関校でも出題さ
れる文章題です。
今回は、そんな差集め算を簡単に解いていくための大切なポイント
「3つそろえる」についてお話ししていきたいと思います。
<差集め算とは?>
たとえば、このような問題です。
みかんが何個かあります。これをクラスの生徒全員に4個ずつ
配ると20個余りますが、5個ずつ配るには10個足りません。
みかんは何個ありますか。
4個ずつと5個ずつという2つの配り方に対して、20個余りと
10個不足という過不足が生じているのが特徴です。
この問題の解き方の一つは、
4個ずつ配り終わったあと、みんなが5個ずつ持っている状態にする
には、「さらに1個ずつ追加で配っていく」と考えることです。
みんなに1個ずつ追加で配るには、余った20個では足りず、あと
10個必要だということになります。
つまり、20+10=30個あれば、全員に1個ずつ配れる
というわけです。
したがって、生徒の数は30÷(5-4)=30人となり、
みかんの数は、30×4+20=140個となります。
このように、追加で配るのに必要な個数を考えるのが解き方
ですが、そのためには「3つのものがそろっている」ことが条件
になります。
< ① 人数をそろえる>
まずは、配る人数をそろえるということです。
次の問題を見てみましょう。
みかんが何個かあります。これをクラスの生徒全員に4個ずつ
配ると20個余る予定でした。ところが、4人の生徒が休んだた
め、1人6個ずつ配ったところ16個足りなくなりました。
みかんは何個ありますか。
4個ずつ配るときと、6個ずつ配るときとで人数が違っています。
したがって、このまま(20+16)÷(6-4)とすることはできませ
ん。
そこで、「4人休まなかったら」として、人数をそろえます。
この4人にも6個ずつ配るので、さらに24個のみかんが必要
です。したがって、誰も休まず全員に6個ずつ配るには、
16+24=40個足りないことになります。
ここまで来たらあとは同じです。
(20+40)÷(6-4)=30人
4×30+20=140個
配る人数や買った本数が違うときは、まず人数・本数をそろえ
ましょう。
< ② 個数をそろえる>
次は、配る個数をそろえる、です。
みかんとりんごがあります。
みかんの個数はりんごの個数のちょうど2倍です。
りんごをクラスの生徒全員に3個ずつ配ったところ10個余り
ました。
みかんをクラスの生徒全員に7個ずつ配ったところ10個足り
なくなりました。
みかんは何個ありますか。
これは、人数は同じでも、もともとの配る個数が違っています。
このまま、(10+10)÷(7-3)とはできません。
そこで個数をそろえます。その方法は、
りんごをもう1度同じ数用意し、もう1回3個ずつ配る
ということです。
そうすると、生徒は3×2=6個ずつもらい、
10×2=20個余ることになります。
まとめると
6個ずつ配ると20個余る
7個ずつ配ると10個足りない
となり、最初の公式が使えます。
(20+10)÷(7-6)=30人
みかんの個数は、30×7-10=200個となります。
この例では、2倍という倍数関係を示しましたが、○○個多い
という「差の関係」でも同じように考えましょう。
< ③ 配り方をそろえる>
最後は、配り方をそろえる、です。
みかんが何個かあります。これをクラスの生徒全員に4個ずつ
配ると15個余る予定でした。
1人6個ずつ配ったところ最後の1人は3個しかもらえず、
1個ももらえなかった生徒が7人いました。
みかんは何個ありますか。
これは、6個ずつ配ったときに余りや不足は発生していません
が、もらってない子がいます。そこで、この子たちに配ることを考えます。
3個しかもらえていない子は、あと3個必要で、
1個ももらってない7人の子には、あと7×6=42個必要です。
したがって、全員に6個ずつ配るには3+42=45個不足してい
ることになります。
そうすると公式が使え、
(15+45)÷(6-4)=30人
30×4+15=135個
となります。
このタイプの問題は、長椅子に座らせる形式でよく出題されます。
誰も座っていない長椅子にも生徒を座らせる、と考えましょう。
以上、「3つそろえる」ことが出来て初めて人数を求められます。
・人数をそろえる
・個数をそろえる
・配り方をそろえる
このポイントを使って、ぜひ応用問題にもチャレンジしてみて
ください。