みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
今回は見直しをするタイミングについてです。
テスト中、いつどのように見直しをするか、きちんと決めていますか?
何となくしたりしなかったりではないですか?
今回は、算数の問題を「料理」に例えて説明します。
算数で出題される、いわゆる「難問」と呼ばれる問題は、
聞いたことない料理を作るようなものです。
突然ですが、皆様、「よだれ鶏」という料理を作れますか?
① 作ることができる
② それっぽいものなら何となく作れる
③ そんな料理食べた事も見た事もないから作れない
①を選んだ方は、よだれ鶏を食べたことがあり、そして作ったことが
ある方です。作ったことがあるから、材料は何でどのような手順で
どう調理していけばよいかが頭に入っているわけです。
②を選んだ方は、よだれ鶏という料理名は知っている、また食べた
ことはあるけど、作ったことはないという方です。
食べた記憶や似たような料理の作り方の経験から類推して、調理を
することは可能です。かなり近いものはできるかもしれませんが、それ
はその人の経験次第です。完璧なよだれ鶏はできないでしょう。
③を選んだ方は、どうしていいか手も足も出ないはず。鶏だから鶏肉
を使うのはわかるけど、よだれ!?よだれをどうするの?
とハチャメチャな料理が出来そう。
これを算数に置き換えてみてください。
こんな問題が出題されました。
3、4、7、8の4個の整数を1回ずつ使って、たし算、ひき算、かけ算、
わり算を組み合わせることにより、答えが10となる式を答えなさい。
このとき式にカッコ( )を使ってもかまいません。
(開成中学 H16年改題)
制限時間は10分です。ぜひ解いてみてください!
さあ、10分経過しました。答えは出ましたか?
①1分以内で答えが出た方
おそらく、この問題を解いたことがあるでしょう。とても特徴的な
解法なので、一度解いちゃうと確実におぼえてしまいます。
②1分以上10分以内で答えが出た方
1つずつ組み合わせを考えていかれましたか?もしくは、最後の
数字とその計算を場合分けして考えていきましたか?
似たような問題を解いたことがあるので同じ解法を試されたと思い
ます。
③答えが出なかった方
この問題初めて見られた方は、まずこうなります。
正解は、(3-7÷4)×8=10
途中で分数(小数)にしないと10にはなりません。
整数の計算だから、全て答えは整数になるはず、そんな思い込みが
邪魔をして答えの道のりをわからなくしています。
つまり、一度でもこの問題に触れ、解き方が分かっているとすんなり
解くことができます。しかし、全く経験がないと自分の持っている経験
の中でしか対応することはできないのです。
難問を解くには、
・いろいろな問題に取り組む
・答えや解法をおぼえるのではなく、まず必死に取り組んでみる
・出来なくても解説を聞いたり読んだりして、ポイントや手順を理解する
・再現できるよう繰り返し練習する
という流れが必要というわけです。
話を「見直し」にもどしましょう。
見直しっていつしてます?
全ての問題が終わって残り時間でする。
確かに落ち着いて見直しが出来そうですが、時間ギリギリだったり
終わらなかったりしたら見直しできずに時間切れになってしまいそうです。
正解は、「解いてすぐ」です。
ただし、見直ししやすい問題と見直ししにくい問題があります。
見直ししやすいのは、求めた答えを当てはめて問題をもう一度読んで
いくことで確認できるものです。
なぜ「すぐ」が良いかというと
①正解であれば安心できる。その問題はこれ以上見直ししなくて良い
②違っていたらすぐに修正して正解にたどりつくことができる
という2つの理由からです。
料理を作るときを想像してください。
プロの料理人であっても、料理を作っている途中で「味見」をして
自分の味付けを「見直し」ていますよね?
料理が完成しお客様に出されて、お客様が食べようとした瞬間に
横から「ちょっと味見させてください!」っておかしいですよね。
解答欄に答えを書いた瞬間、問題を解いたことになります。
その直前、解答欄に答えを書く前にぜひ見直ししましょう!
でも、うちのお母さん味見してないよ~
そんな声も聞こえてきそう。
それは、何十回何百回何千回と同じ料理を作ってきたから、
味付けに自信を持っているのです。
皆さんもたくさんの問題を解いて、絶対の自信を身につければ
見直ししなくても正解できるようになります!
頑張ってください!