みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
まずは、こちらのツイートをご覧ください。
「河野大臣!!
最近コロナで暇すぎます!!
何か家でできる面白い遊びってないですか?
ちなみに今中3です!!」
これに答えたのが、河野太郎大臣。
「では、2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数をさがしてごらん。」
つまり、A×A×A+B×B×B=C×C×C+D×D×D=N
となる、異なるA、B、C、Dがある、最小のNを求めなさい、という問題です。
そこで、今回はこの河野大臣の挑戦を、小学生でも分かるようにヒントを加えて
みますので、ぜひ考えてみましょう!という内容です。
ヒント1 A~Dは1から12の中の数字です。
1×1×1=1
2×2×2=8
3×3×3=27
4×4×4=64
5×5×5=125
6×6×6=216
7×7×7=343
8×8×8=512
9×9×9=729
10×10×10=1000
11×11×11=1331
12×12×12=1728
もしかしたら見つかった人もいるかも?
Step1 9で割ったあまりを考える
立方数を9で割ったあまりで分類しましょう。
あまり1 1、64、343、1000
あまり8 8、125、512、1331
あまり0 27、216、729、1728
あまりは1、8、0の3種類になります。2つの立方数の和が等しいということは
あまりの和も等しくなりますので、
①「あまり1」+「あまり1」=「あまり1」+「あまり1」
②「あまり1」+「あまり8」=「あまり1」+「あまり8」
③「あまり1」+「あまり0」=「あまり1」+「あまり0」
④「あまり8」+「あまり8」=「あまり8」+「あまり8」
⑤「あまり8」+「あまり0」=「あまり8」+「あまり0」
⑥「あまり0」+「あまり0」=「あまり0」+「あまり0」
⑦「あまり1」+「あまり8」=「あまり0」+「あまり0」
の7通り考えられます。
このうち、①、④、⑥は、1+1000=64+343、8+1331=125+512、
27+1728=216+729、とならないのでありえません。
つまり、②、③、⑤、⑦の中に答えがあります。
どうです、わかりましたか?
ヒント2 正解は③「あまり1」+「あまり0」=「あまり1」+「あまり0」
の中にあります。
Step2 偶数・奇数に分けて考える
「あまり1」 偶数:64、1000 奇数:1、343
「あまり0」 偶数:216、1728 奇数:27、729
Nが偶数とすると、偶数+偶数か偶数+奇数になります。
64+216=280
64+1728=1792
1000+216=1216
1000+1728=2728
1+27=28
1+729=730
343+27=370
343+729=1072 この中には同じ数はありませんでした。
Nが奇数とすると、偶数+奇数になります。
64+27=91
1000+27=1027
64+729=793
1000+729=1729
1+216=217
1+1728=1729
343+216=559
343+1728=2071
見事に1729で等しくなりました!
つまり、1×1×1+12×12×12=9×9×9+10×10×10=1729
河野大臣の答えは1729になります。
ヒントがなければなかなか難しいですね。
数に関する問題では、「〇で割ったあまり」に着目すると、糸口が見つかる
ことがあります。ぜひおぼえておいてください。
ところで、今回のブログのタイトルはタクシー数ですが、これはいったい何でしょう?
これには次のエピソードがあります。
数学者ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディが療養所に入院している数学者シュリニヴァ―サ・ラマヌジャンを見舞いに行ったときの会話
ハーディが「ナンバーが1729のタクシーに乗った。その1729という数は、素数でもないし、平方数でもないし、なにか無味乾燥なもののように思えた。だから、それが不吉なことの前兆でないことを願っていたんだよ。」と言った。
ラマヌジャンは「そんなことはありません、1729はとても興味深い数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」と返した。
ここから、N通りの2つの立方数の和として表される最小の数のことを「N番目のタクシー数」と呼ぶようになりました。
数にはいろいろありますね。友愛数とか。
興味のある方は「博士の愛した数式」をぜひお読みください。
今回は以上です。また次回お会いいたしましょう。