みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
6月29日のブログで、水そうに棒を入れる問題は手順を逆にすると
解きやすいですよ、という内容を書きました。
今回はその続編です。
そもそも、この順逆自在の術は多岐に渡って活用できます。
例えば、6-10+9=? という計算問題はどうでしょう。
たし算とひき算に優先順位はないので基本的には前から順に解きます。
しかし、6から10ひくことはできません(負の数を学習していないので)。
そこで、「10をひく」と「9をたす」の順番を入れ替えることで、
6+9-10=? とすれば、答えの5は簡単に求まります。
順逆自在の術は、順番を変えても結果に影響がない場合に使います。
今回の主題は、立体切断でも順逆自在の術が使える、というものです。
まずは、下の問題をご覧ください。
この立方体を、3点B、D、Gを通る平面と、3点B、D、Eを通る平面で切断し、そのうち頂点Fをふくむ立体を立体Xとします。
辺BF上に、BP:PF=2:1となるような点Pを取り、点Pを通り面EFGHに平行な平面で立体Xを切断します。
切り分けられた2つの立体のうち、点Fを通る立体の体積を求めなさい。
なかなか複雑な問題です。どうやって考えていけばよいでしょうか。
問題文の通り切断していくと、下の図のようになります。
①B、D、Gを通る平面で切断
②B、D、Eを通る平面で切断
③Pを通る平面で切断
④体積を求めましょう!
と言われても、どうやって求めたらいいのか…
そこで順逆自在の術!です。
切る順番を、①Pを通る平面➡②B,D,Gを通る平面➡③B、D、Eを通る平面
と入れ替えます。そして、①のPを通る平面で2つに分けず、隠し包丁のように
切り口をそのまま残しておきましょう。
では、順を追って説明します。
①Pを通る平面で切断
②B、D、Gを通る平面で切断
③B、D、Eを通る平面で切断
この状態でPより上の部分を消すと…
となり、体積を求めたい立体が、直方体から三角すいを2つひいた立体
であることがわかります。
つまり、順逆自在の術により、先にひいた切断面が補助線の役割も果たしていることになります。
こうすれば複雑な切断も、どんな立体なのかがわかりやすくなります。
なお、答えは
=243-9
=234㎤
と求まります。
手順がたくさん合って大変な問題では、この忍術のような順逆自在の術の
ことを思い出してみてくださいね。
それではまた次回お会いいたしましょう!